ファースト・アルバムだけを取り上げるというコンセプトで始めたこのブログ。
2012年5月にスタートして毎週日曜日に更新というパターンを続けてきましたが、
ローリング・ストーンズでちょうど100枚、これをいい機会としてブログを終了します。
突然なんだよって思われる方もいるかもしれませんが、実はすでに去年の12月には決定していました。
ええ、もうネタが無いんですよ、お互いw
自分とkakudaya氏では取り上げるアルバムにも偏りがあったから、
他にも誰か誘おうかなんて考えたりはしましたが、結局はそれもせず閉じることにしました。
今まで読んでくれた方がいたのかどうか分かりませんが、
2年近くお付き合いいただきありがとうございました。
そして2年前にこんなコンセプトで始めるけどと誘って、
強力してくれたkakudaya氏には感謝しております、ありがとう。
さて、このブログをどうするか、今はそれを考えています。
というのは、firstalbum.net というドメインが4月中に切れるので、
もう更新しないブログのためにドメインをキープするのもめんどくさいので、
どこかに移すと思います、それは改めてお知らせします。
2014年4月1日火曜日
2014年3月30日日曜日
ザ・ローリング・ストーンズ / イングランズ・ニューエスト・ヒット・メーカーズ
The Rolling Stones / England`S Newest Hit Makers(1964年リリース)
①Not Fade Away ②Route 66 ③ I Just Want to Make Love to You ④Honest I Do ⑤Now I've Got a Witness ⑥Little by Little ⑦I'm a King Bee ⑧Carol ⑨Tell Me ⑩Can I Get a Witness ⑪You Can Make It If You Try ⑫Walking The Dog
【アルバムについて】
ローリング・ストーンズほど今さら説明不要なバンドもないだろうけど、それでも彼らのファースト・アルバムからちゃんと押さえているという人はグッと減るんじゃないだろうか?正直に告白すると、30年近くストーンズを聴いているが、ファースト・アルバムを聴いたのはつい最近だ。どうも俺は彼らの60年代の「音」が好きではなく、1969年の『ベガーズ・バンケット』からが特に好きなんだけど、今回このファースト・アルバムを聴いて思ったのはまんま『ベガーズ・バンケット』だった。このアルバムは⑨だけが彼らのオリジナル曲で、残りは彼らが影響を受けたブルースやR&Bのカバーで占められている。以前抱いていた印象は「カバーばかりかよ」というもので、それがもとで聴くことをしなかったなんてバカだったなと反省している。そう、俺が好きな『ベガーズ・バンケット』はこのファースト・アルバムで敬意をこめてカバーしている楽曲たちをちゃんと昇華したことで生まれたものであり、そして以降そのブルースをベースに、デビューから50年も経った今でも活動しているわけだ。たった2枚のアルバムを挙げただけで語れるバンドじゃないけど、俺にとっては目から鱗の衝撃だった。ところで、この"England`S Newest Hit Makers"というタイトルはアメリカ盤でのタイトルで、イギリスではバンド名がそのままタイトルだったんだけど、CD化にあたりアメリカ盤が基準になってしまっている。イギリスのバンドなのになぜそうなっちゃうのか・・・。
【オススメ度】★★★☆☆
上でも書いたように、俺はあまり彼らの60年代のアルバムはほとんど聴いていない、せいぜい『サタニック・マジェスティーズ』と『アフターマス』そして『ベガーズ・バンケット』ぐらいで、そこから以降のキャリアは追っているけど、正直ストーンズはどこから聴いてもよい。ベスト盤からでもいいし、気に入ったら他のアルバムも聴いていけばいいんじゃないかと。だからいきなりここから入っても良いだろうし、多少の時代背景も含まれているものの、彼らの根底にあるもものは50年間ずっと変わらずなんだから。まさにローリング・ストーンズ、転がりつづける石だってこと。(h)
【kakudayaの感想】
これほどまでに長いキャリアを築き、なおかつ新作を創り、ツアーを続けているミュージシャンもそう多くはないだろう。多作ではないものの、そのディスコグラフィはキャリアに比例して必然的に長くなってしまう。その結果、俺のようにほんの一部の作品しか触れることができていない人も多いのではないか。などと言い訳してみたものの、結局俺はこれまでローリング・ストーンズというバンドにそれほど入れ込むことはなかった。今回初めて耳にしたこの1stアルバムのサウンドや雰囲気は嫌いなものではなく、特にエアロスミスが1stアルバム『野獣生誕』で真似してカバーした⑫なんかは特に好きだ。しかし、俺の場合はこの1stアルバムに手を出すよりも、一般的な評価の高い、かつ俺が未聴な作品を聴く方が先ですね。
Walking The Dog
2014年3月23日日曜日
オアシス / オアシス
Oasis / Definitely Maybe(1994年リリース)
①Rock 'n' Roll Star ②Shakermaker ③Live Forever ④Up in the Sky ⑤Columbia ⑥Supersonic ⑦Bring It on Down ⑧Cigarettes & Alcohol ⑨Digsy's Dinner ⑩Slide Away ⑪Married with Children
【アルバムについて】
1994年、それは米国ではグランジ/オルタナティヴが没落し、英国ではブリットポップが勃興した年だった。当時、泥臭い米国産の音楽からシャレオツな英国産の音楽への移り変わりを音楽雑誌を通して体感した自分は、ブリットポップ自体には興味が持てなかった。けれどもその中で、あまり個人的には関わりたくないようなチンピラが演奏している音楽に惹かれた。それがオアシスの1stアルバム『オアシス』(原題:"Difinitely Maybe")に収録されている楽曲の数々であった。ネガティヴな要素満載なグランジと比べて、オアシスの奏でる音楽は圧倒的にポジティヴで、恥ずかしげもなくキャッチーで、皆でシングアロングして、なんだか眩しくすら見えた。そんな作品。
【オススメ度】★★★★★
一般的にはこの1stアルバムよりも1995年にリリースされた2ndアルバム『モーニング・グローリー』(原題:〈What's the Story〉Morning Glory?)の方が評価が高いが、個人的にはこの1stアルバムの方が好きだ。ここの文章を読んでいるような人でオアシスの存在を知らない人は殆ど居ないと思うし、CMなどで一度は耳にしていると思うけど、改めて下に貼ったYoutubeを見て興味を持った方は、この1stアルバムか2ndアルバムから聴いてみてね。
ところで日本盤には'Cloudburst'と'Sad Song'がボーナストラックとして追加されているが、③と④および④と⑤の間に挿入されており、どういう意図でそうなったか疑問だ。曲ひとつひとつが良くできているからアルバムとしての流れはあまり気にならなかったりするのだけれども。(k)
【hiroumiの感想】
オアシスは今でも再結成の噂というか、それを望む声が多くてさぞ人気なんだろうなと思うのだが、俺はまともにアルバムを聴いたことがない、せいぜい"Whatever"の入ったミニアルバム(シングル?)を買ったことがあるぐらい。俺がUKロックのバンドを聴かないのは、過去にも何度か述べているけど、もし当時オアシスをリアルタイムで聴いていたら、他のバンドも聴いていたんじゃないかなと思うことがある。有名であろう曲のタイトルを見ても「ん?デヴィッド・ボウイ?」と今でも思ってしまうんだなw
2014年3月16日日曜日
ヴァン・ヘイレン / 炎の導火線
Van Halen(1978年リリース)
①Runnin' with the Devil ②Eruption ③You Really Got Me ④Ain't Talkin' 'bout Love ⑤I'm the One ⑥Jamie's Cryin' ⑦Atomic Punk ⑧Feel Your Love Tonight ⑨Little Dreamer ⑩Ice Cream Man ⑪On Fire
【アルバムについて】
最初に聴いたヴァン・ヘイレンは5枚目の"Diver Down"というアルバムだった。当時"Oh! Pretty Woman"(余談だけど、映画の「プリティ・ウーマン」がヒットしてから主題歌となったロイ・オービソンのこの曲まで「プリティ・ウーマン」というタイトルで呼ばれるのがどうにも我慢ならない。「オー!プリティ・ウーマン」だからな)を日曜朝のAMラジオの洋楽ベストテンで何度も聴いて、後にレコードを借りて聴いたのが最初だった。ほどなくして大ヒットとなった"1984"を聴き、遡ってこのアルバムに辿り着いた。それまでに聴いていた2枚のアルバムはどちらかというとポップな印象を持っていたが、このアルバムを聴いてエドワード・ヴァン・ヘイレンがギターに革命的なことをしたと言われていたのが「なんとなく」分かった。そう、俺はギターやら楽器をやらないので、なんとなくでしか分からないのだ。デイヴ・リー・ロスの個性的なヴォーカルもすでに注目に値するが、やはりこのアルバムはエディのギターが主役なんだろうなと思った。ギターが片方のチャンネルだけにしか入っていないのもワザとそうしたのかなとか思ってしまう。キンクスのカバーである③ばかりが目立っているが、俺はやっぱり⑦を初めて聴いた時の驚きの方が大きいのだ。
【オススメ度】★★★★★
ヴァン・ヘイレンはヴォーカリストがデイヴ・リー・ロスからサミー・ヘイガーに変わり、さらに元エクストリームのゲイリー・シャローンになり、今は再びデイヴに戻っているが、デイヴ時代とサミー時代では音楽的にも若干違いがあるし、聴く人によって好みのアルバムは変わるかもしれないが、このアルバムは必聴だろう。これを聴かずしてヴァン・ヘイレンはないだろうね。(h)
【kakudayaの感想】
俺が初めて聴いたヴァン・ヘイレンはサミー・ヘイガーがヴォーカルでした。ジャケットでひと悶着あった『バランス』がリリースされる何年か前。エドワード・ヴァン・ヘイレンは流行に合わせて風貌を変えたり、ベース首にして自分の息子をメンバーに加えるとか、音楽以外の面も含めて好みじゃない。だから、今回初めてYoutubeで聴いた初期の曲も興味が持てませんでした。スゴいギタリストなんだろうけど、好きでも嫌いでもないんです。ゴメンなさい。
Atomic Punk
2014年3月9日日曜日
スリーター・キニー / スリーター・キニー
Sleater-Kinney / Sleater-Kinney(1995年リリース)
①Don't Think You Wanna ②The Day I Went Away ③A Real Man ④Her Again ⑤How to Play Dead ⑥Be Yr Mama ⑦Sold Out ⑧Slow Song ⑨Lora's Song ⑩The Last Song
【アルバムについて】
2006年の初夏、スリーター・キニーの活動停止が発表された。会社でこの突然のニュースを知った俺は酷く動揺し、仕事が手につかなかった。こんなことはホントに久しぶりだった。彼女達の音楽を初めて聴いたときは、その出会いに感謝した。完璧だった。彼女達は俺のジョーイ・ラモーンだった。サーストン・ムーアだった。それ以上だった。
スリーター・キニーはオリンピア出身のベースレスの女性3人組で、所謂Riot Grrrlの系譜にあるものではビキニ・キル以降、最も有名になったバンドのひとつではないだろうか。このセルフタイトルの1stアルバムでは、ドラマーがまだジャネット・ワイスになる前ということもあり、ギターも含めて演奏がヘタクソだし、録音状態も良くない。だが、この初期衝動的な勢いと歌詞の生々しさはパンクそのものだ。
【オススメ度】★★★★☆
Riot Grrrlみたいなシーンに理解がある人には無条件でオススメするが、一般的なウケは悪いだろう。初めて聴く方には、ブレイクした3rdアルバム『ディグ・ミー・アウト』や、デイヴ・フリッドマンがプロデュースした最後のアルバム『ザ・ウッズ』あたりが無難だが、この『ザ・ウッズ』をはじめとする後期のアルバムになるとガレージやパンクというよりもロックバンド然とした楽曲とサウンドに昇華されており、好みの分かれるところ。個人的には荒々しさが残る2ndアルバム『コール・ザ・ドクター』と、俺の琴線に触れまくる楽曲揃いの『ザ・ホット・ロック』を推したい。(k)
【hiroumiの感想】
90年代のある日、ロッキング・オンを見ていたら輸入盤の紹介ページにひっそりと載っていたジャケット。「お、キンクスの"The Kinks Kontroversy"か!?」と思ったらジャケットに写っているのは女性メンバーで、なかなかやるなと思った。何年かあとにそのアルバム"Dig Me Out"を聴いてそれなりに気に入っていたが、他のアルバムを聴く機会はその後無かった。調べてみるとその"Dig Me Out"は3枚目のアルバムで、初期からすでにスタイルは確立されているというか、徹底していたんだなと思った。だけどメッセージなども含めて、その徹底ぶりが今の時代にはそぐわないのかなと思ったりもする、世の中が軟弱なんだよね。
2014年3月2日日曜日
プリンス / フォー・ユー
Prince / For You (1978年リリース)
①For You ②In Love ③Soft And Wet ④Crazy You ⑤Just As Long As We're Together ⑥Baby ⑦My Love Is Forever ⑧So Blue ⑨I'm Yours
【アルバムについて】
今や説明が不要な人かもしれないプリンスは20歳の時にこのアルバムでデビューした。当時は異例の、全曲一人で録音したセルフ・プロデュース作で、契約したワーナーもよくぞそんな作品を受け入れたなと思う。1978年当時ではブラック・ミュージックは「ブラック・コンテンポラリー」などと呼ばれ、AORちっくな雰囲気を持った小気味良い黒人音楽を指していたのかな、この作品でもそのような雰囲気を感じる②や③がある一方で、ギターを弾きまくる⑨、後の渋谷系のミュージシャンも影響受けているだろうと思わせる⑦などクオリティが高い。ちなみに日本で最初に出たプリンスのアルバムは次作の『愛のペガサス』で、このアルバムはもうちょっと後になってリリースされたと記憶している。
【オススメ度】★★★☆☆
アルバムがたくさんあるのでどれを聴いてもいいと思うが、やはり80年代の『パープル・レイン』から『サイン・オブ・ザ・タイムス』までのアルバムを最初に聴くべきかと思う。それで聴けるのであれば遡ってこのアルバムまでくるのが良いかもしれない。いつもならサンプルとして収録曲を下に貼り付けておくのだが、なんとこのアルバムの曲がYouTubeには全く無い状態だ。ネット上の「海賊行為」を許せないプリンス本人による制限がかかっているのではないだろうか。(h)
【kakudayaの感想】
'The Most Beautiful Girl in the World'が、俺が初めてまともに聴いたプリンスの曲だった。それ以前の接点は'Batdance'の空耳「農協牛乳」ってのがあった程度。それで今回初めて聴いたこの1stアルバム、既にプリンスのファルセットによる歌い方とコーラスが確立されてて、特に⑤のグルーヴィな感じが気に入った。この才能溢れるマルチプレイヤーぶりといい、CD販売のビジネスを見限る先見性といい、ホントに天才なんだろう。
2014年2月23日日曜日
ウォーペイント / ザ・フール
Warpaint / The Fool(2010年リリース)
①Set Your Arms Down ②Warpaint ③Undertow ④Bees ⑤Shadows ⑥Composure ⑦Baby ⑧Majesty ⑨Lissie's Heart Murmur
【アルバムについて】
LA出身のウォーペイントを紹介するのに、ドリームポップと言ってしまえばそうなのだろう。2008年のデビューEP"Exquisite Corpse"はジョン・フルシャンテの手によりミックスされたり、メンバーだったジョシュ・クリングホッファーがレッド・ホット・チリ・ペッパーズに移籍するなど当時も音楽以外の話題性に事欠かなかったが、現在でもテレサ(ヴォーカル&ギター)がジェイムス・ブレイクと付き合っていたり、ジェニー・リー(ベース)がクリス・カニンガムと結婚していたりと話題豊富である。さて、2010年にリリースされたこの1stアルバム『ザ・フール』では商業的に大きな成功を収めることはできなかったように思う。セルフタイトルの2ndアルバム『ウォーペイント』は、2014年1月のリリースに合わせて精力的に世界各地をツアーをしており、ツアーの一環として先日のホステス・クラブ・ウィークエンダーにも登場し、2011年のフジロックに続く2度目の来日を果たしている。
【オススメ度】★★★★★
EP"Exquisite Corpse"が物凄い中身の濃いものであったのに対し、正直この1stアルバムはちょっとまとまり過ぎてつまらなく感じる部分もある。けれども個人的には本当に大好きなバンドで、特に⑥なんて何回聴いたかわからない。因みに日本盤にはボーナストラックとしてデヴィッド・ボウイのカバー'Ashes to Ashes'が収録されている。(k)
【hiroumiの感想】
前に「ドリームポップ」と形容されたあるバンドを聴いたことがあるのだが、まったく俺向きではなかった。だからいまここでこのウォーペイントをドリームポップと書かれているのを見て身構えてしまったが、さすがkakudaya氏が好むバンドだけあって以前感じたようなガッカリ感は無い。今まで聴いたことがなかったので音のイメージが全くなかったが、②と③(下のPV)を聴いてドリームポップという言葉では括れないスケール感があると思った。そして5年以上のキャリアがあるのに出たばかりのアルバムがまだ2枚目とか、先入観をことごとく覆してくれるね。
2014年2月16日日曜日
OFF! / First Four EPs
OFF! / First Four EPs(2010年リリース)
①Black Thoughts ②Darkness ③I Don't Belong ④Upside Down ⑤Poison City ⑥Now I'm Pissed ⑦Killing Away ⑧Jeffrey Lee Pierce ⑨Panic Attack ⑩Crawl ⑪Blast ⑫Rat Trap ⑬Fuck People ⑭Full Of Shit ⑮Broken ⑯Peace In Hermosa
【アルバムについて】
元Black Flag、元Circle Jerksのヴォーカル、キース・モリスが新たに結成したバンドで、最初のアルバムとなる本作は4曲入りの7インチEP4枚組という形での発表となった(CDは後からリリースされている)。1分前後の曲ばかりで全16曲で18分というハードコア・パンクなアルバムで、ジジイになってもその姿勢を貫くキースには尊敬の念を抱いてしまう。歳をとって日和ったあげく時代錯誤な音楽をやられるよりは、ハードコアであったほうが聴く方としても信用できるってものだ。ただ惜しいのは突出した曲がなく平均点的に聴こえてしまうことだが、わずかな時間で聴き終わってしまうのでそんなことは考える必要はないかもしれない。ちなみに、キースと親友であるレッド・ホット・チリ・ペッパーズのアンソニー・キーディスはプロモーションも兼ねてこのバンドのキャップを被っていて、2011年のサマーソニックの時も被っていた。
【オススメ度】★★★★★
2012年にはセルフ・タイトルの2ndアルバムをリリースし、今年2014年春には3枚目のアルバムを出すことが決まっているOFF!、俺は今のところこのアルバムしか聴いていないので比較することはできないが、USハードコアを好む者であればマストなアルバムであることは間違いない。去年、Black Flagが再結成して新しいアルバムを出したが、それを聴くよりは絶対に先にこのバンドを聴いておけというのが俺からのアドバイス。(h)
【kakudayaの感想】
Circle Jerksなんて聴いたことはないけど、編集盤"Wasted...Again"で聴いたBlack Flagデビュー当時のキース・モリスの歌い方はジョニー・ロットンの影響下にあり、パンクがハードコアに変貌していく過程を垣間見ているようで興味深い。そんな時代の生き証人みたいなミュージシャンが今も現役で、しかもこんな馬鹿みたいな音楽(褒めてる)を続けてることに勇気づけられる。継続は力なり。
OFF! / Darkness
OFF! / I Don't Belong
2014年2月9日日曜日
ドーター / イフ・ユー・リーヴ
Daughter / The Bones of What You Believe(2013年リリース)
①Winter ②Smother ③Youth ④Still ⑤Lifeforms ⑥Tomorrow ⑦Human ⑧Touch ⑨Amsterdam ⑩Shallows
【アルバムについて】
ドーターはロンドン出身の3人組。2013年に1stアルバム『イフ・ユー・ビリーヴ』をリリースし、同年のフジロックフェスティバルのレッドマーキーのステージに登場し初来日を果たす。迫る2014年2月15日(土)にはホステス・クラブ・ウィークエンダーにも登場が予定されている。中心人物のエレナ(ヴォーカルとギター)の佇まいはフロント(ウー)マンを務めるのにはいささか心許ないシャイなキャラクターのようで、MCも控えめに歌いながらシューゲイズする。だかその一所懸命な姿とそのサウンドが構築する世界に心奪われてしまう俺なのでした。
余談だが、最近のライヴではダフト・パンクの「ゲット・ラッキー」をカバーすることが定番となっているようだ。全く踊れそうにない。
【オススメ度】★★★★☆
この1stアルバムは2011年にリリースされた2枚のEPと比較してよりプロデュースされサウンドがはっきりしており、好みの分かれるところだろう。4ADの系譜に則った陰鬱さはあるものの、若さや瑞々しさをも感じるシューゲイザーといったところか。(k)
【hiroumiの感想】
4ADなんだ。コクトー・ツインズのようなジャケットだなと思ったらやっぱりそうか。トリオなのに壮大さを感じる曲なんだけど(下のPV)、しかし映像ばっかり見てしまう作りはずるいw あともうひとつ褒めるなら、アルバム収録曲のタイトルがどれも単語1つってところ。
2014年2月2日日曜日
ジェフ・バックリィ / グレース
Jeff Buckley / Grace(1994年リリース)
①Mojo Pin ②Grace ③Last Goodbye ④Lilac Wine ⑤So Real ⑥Hallelujah ⑦"Lover, You Should've Come Over" ⑧Corpus Christi Carol ⑨Eternal Life ⑩Dream Brother ⑪Forget Her
【アルバムについて】
60年代のカルト的なフォーク・シンガー、ティム・バックリィを父親に持つジェフ・バックリィは、ニューヨークで音楽活動を始めたもののいまいちパッとせずに不遇の時期を過ごしていたが、亡き父のトリビュート・コンサートでその歌声で注目を浴びた。その後ライヴEPを経てこのデビュー・アルバムをリリースしたのだが、当時ロッキング・オンでも推していたから俺もその名を知り、すぐにアルバムを聴いた。当時はグランジやオルタナティヴがメイン・ストリームだったこともあり、そういうアレンジが多少はあるもののどこか物足りなさを感じていたが、彼のヴォーカルは本当に素晴らしいと思った。いま聴くとそのわずかながらのオルタナティヴ要素が邪魔くさいのがもったいないと思える。当時は割と夢中になって聴いていたから、次の新しいアルバムを期待していたのだけど、2枚目のアルバムを制作している途中に川で溺死という非常にショッキングな事故が起こってしまった。若くして亡くなるなんて、そんなところを親子で似なくても良かったのに・・・・。
【オススメ度】★★★★★
生前にリリースされたアルバムは本作のみだから、これを聴かなきゃ始まらない。俺はこのアルバムは本当に好きだったけど、死後に未発表曲を集めたアルバムやら、いろいろなアルバムがリリースされるものだから、いまは逆に醒めてしまっている。久々にこのアルバムを聴いたけどやっぱりいいわ。そろそろ死後に出たアルバムも聴いてみようかなと思う。(h)
【kakudayaの感想】
血統や若過ぎる死などどうでもよくなる名盤。カテゴリーとしてはロックの範疇に入るのだろうが実際にロック的な響きを聴かせてくれるのは⑨くらいで、初期衝動に任せたような安易なカタルシスを得ることはできない。型にはめられない、完全に唯一無二のジェフ・バックリィの世界がその声を中心に展開される。音源が限られてしまったことが非常に悔やまれるが、墓場を掘り起こすような行為はもうたくさん。
2014年1月26日日曜日
サヴェージズ / サイレンス・ユアセルフ
Savages / Silence Yourself(2013年リリース)
①Shut Up ②I Am Here ③City's Full ④Strife ⑤Waiting for a Sign ⑥Dead Nature ⑦She Will ⑧No Face ⑨Hit Me ⑩Husbands ⑪Marshal Dear
【アルバムについて】
サヴェージズはメンバーが全員女性のロンドン発ポストパンクバンド。2013年のフジロックと、それに付随する単独公演、そして2014年1月の単独公演と、国内でも人気を博しつつある。そのサウンドやルックスだけでなく、存在そのものがストイック。一切の無駄を省いたような統一感がコンセプチュアルで素晴らしい。だがジョイ・ディヴィジョンなんかが引き合いに出されてる辺りを含め、正直ハイプ臭が拭えない。そんな疑念を払拭するようこの作品1枚で終わらせずに頑張ってほしい。
【オススメ度】★★★☆☆
物凄く俺の好みの要素が揃ってるんだが、いかんせん楽曲のフックが俺の琴線に触れない。なんでなんだろう。凄く好みのバンドで好みの音なんだけど、我ながらすごく不思議。だから星3つで。俺の感性が残念で申し訳ない。(k)
【hiroumiの感想】
ジョイ・ディヴィジョンと比較されるそのサウンドとカリスマ性っていうが、ジョイ・ディヴジョン並のカリスマ性だなんてまだアルバム1枚じゃ判断できないよね。ちょっと他の曲も聴いてみたけど、どちらかというとスージー&ザ・バンシーズに近くないかな?音はパンクというよりニュー・ウェイブっぽいね。①なんて特に。
2014年1月19日日曜日
ザ・マザーズ・オブ・インヴェンション / フリーク・アウト!
The Mothers Of Invention / Freak Out!(1966年リリース)
①Hungry Freaks, Daddy ②I Ain't Got No Heart ③Who Are the Brain Police? ④Go Cry on Somebody Else's Shoulder ⑤Motherly Love ⑥How Could I Be Such a Fool? ⑦Wowie Zowie ⑧You Didn't Try to Call Me ⑨Any Way the Wind Blows ⑩I'm Not Satisfied ⑪You're Probably Wondering Why I'm Here ⑫Trouble Every Day ⑬Help, I'm a Rock ⑭The Return of the Son of Monster Magnet
【アルバムについて】
フランク・ザッパが最初に世に放った作品はアナログ2枚組で、1枚目はドゥーワップやR&Bをモチーフとしたサイケデリックなロックンロールで①がまさにその典型である。この1枚目だけであれば当時のアメリカのバンドの1つとして語られただけかもしれないが、超問題作の2枚目(⑫以降)が彼らマザーズ・オブ・インヴェンションの個性を引き立たせている。特に⑬と⑭の実験性は完全に聴く者を選ぶタイプの曲で、しかしながらザッパのその後の音楽活動の中では序の口に過ぎない。その後も『サージェント・ペパーズ』よりも早いコンセプト・アルバムの『アブソルート・フリー』や、その『サージェント・ペパーズ』のじゃけをパロった『俺たちは金のためにやっている』、映画のサントラ『アンクル・ミート』など、初期マザーズとしては7枚のアルバムをリリース。そのどれもが濃く、癖のあるものばかりだが、この2枚組アルバム(CDでは1枚)ですでにマザーズの音楽が完成されているというのはザッパ好きなら誰もが思うことではないだろうか?個人的にはマザーズのアルバムで最もとっつきにくいのがこのアルバムと『ルーベン&ザ・ジェッツ』、そう、俺はドゥーワップ系が苦手なんだ。
【オススメ度】★★☆☆☆
フランク・ザッパのアルバムとしてだったら『ホット・ラッツ』や『ワン・サイズ・フィッツ・オール』など、他におすすめしたいアルバムがたくさんあるし、これも人によってはいろいろ出てくる。何せ生前は60枚ぐらいのアルバムをリリースしているわけだから。で、マザーズ・オブ・インヴェンションだったらというと、俺だったら『バーント・ウィーニィ・サンドイッチ』とか、もっと癖のある『いたち野郎』を勧めたい(ちなみに後者を人に勧めて、今までに3人に嫌がられてるw)。この『フリーク・アウト』を最初に聴いちゃうと、ザッパのアルバムには良いものがたくさんあるにも関わらず、そこまでたどり着く人が少なくなっちゃうんじゃないかと思うぐらいとっつきにくいと思っている。マザーズ名義のアルバムを半分以上聴いて、それで余力があったらでいいと思うので、星は2つとさせていただく。ちなみに俺は2枚目の⑬がとても好き。(h)
【kakudayaの感想】
この『フリーク・アウト!』というアルバムのジャケットは、俺にとって馴染み深いものである。音楽誌等でしょっちゅう取り上げられ、目にするからだ。しかしジャケットが目に焼き付いただけで、実際にはその音を聴いたことがなかった。同じような状況の作品は他にも沢山ある。キャプテン・ビーフハートの『トラウト・マスク・レプリカ』などがその一例だ。で、だ。フランク・ザッパには申し訳ないが作品数が多すぎて尻込みしてしまい、気軽に聴いてみよう、などという気にはなれない。勿体ないのはわかってる。だが、もっと現役のバンドの音楽を聴くことに時間を割きたいというのが建前。単純に聴き込む(時間的、金銭的、そして精神的)余裕がないというのが本音。
Hungry Freaks Daddy
Help I'm a Rock
2014年1月12日日曜日
チャーチズ / ザ・ボーンズ・オブ・ワット・ユー・ビリーヴ
Chvrches / The Bones of What You Believe(2013年リリース)
①The Mother We Share ②We Sink ③Gun ④Tether ⑤Lies ⑥Under the Tide ⑦Recover ⑧Night Sky ⑨Science/Visions ⑩Lungs ⑪By the Throat ⑫You Caught the Light
【アルバムについて】
チャーチズはグラスゴー出身の3人組で、EPやシングル等のリリースを経て2013年に満を持して発表されたのがこの1stアルバム『ザ・ボーンズ・オブ・ワット・ユー・ビリーヴ』だ。フロントを務める紅一点ローレンに注目が集まりがちで、このアルバムがリリースされる前にサマーソニック2013での来日公演を果たすなど話題先行の感も否めない。しかし2014年2月に開催されるホステス・クラブ・ウィークエンダーへの参加、および東京大阪での単独公演も予定されていることからも分かるように、既に多くのファンを獲得できているようだ。
【オススメ度】★★★☆☆
メンバー3人のこれまでのキャリアの集大成として佳曲ぞろいだとは思うが、特に目を見張るような驚きはない。ただただポップでキュートだ。俺はグラスゴー出身というだけでときめいてしまうため、冷静な判断を下すために星をひとつ減らして3つとした。まずはYoutubeでローレンのパフォーマンスを見て、何か感じるものがあればこのアルバムを手に取ってみて欲しい。蛇足だが、出身地とメンバー構成からBIS(≠BiS)を思い出してしまうのは俺がオジサンだからか。(k)
【hiroumiの感想】
去年デビューしたバンドのアルバムがここで紹介されるとは思わなかった。もう数年前からエレクトロポップを主体としたバンドが出てきているけど、多くはこのバンドみたいに2人とか3人という少ない編成が多いような気がする。これって80年代にもそういうユニット、例えばティアーズ・フォー・フィアーズとかペット・ショップ・ボーイズなんかもそうだけど、当時と今の違いって今はこの少ない編成でも楽曲をしっかり再現できるテクノロジーがあることだろうね。80年代はライヴとなると結局はサポートが入らないと成り立たなかった。だから今の方が出てくるチャンスはあると思う。でもその分すぐに忘れ去られがちでもあるからどちらにしても厳しいものだろうね。で、このバンド、下のYouTube以外にも聴いてみたけど曲は悪くないから、どれだけ持続していくかが楽しみです。
2014年1月5日日曜日
マドンナ / バーニング・アップ
Madonna(1983年リリース)
①Lucky Star ②Borderline ③Burning Up ④I Know It ⑤Holiday ⑥Think Of Me ⑦Physical Attraction ⑧Everybody
【アルバムについて】
⑧でデビューをしたマドンナは⑤のヒットで徐々に注目を浴び、②、①とシングルカットをした曲がどれも話題となっていった。俺も⑤で最初に知ったのだけど、まだ洋楽の熱心なリスナーが早めに飛びついただけで、実際に脚光を浴びたのは2枚目のアルバム『ライク・ア・ヴァージン』からだったと記憶している。このアルバムではまだあか抜けない感じの彼女の姿が初々しく、音作りもローカルなディスコ・ミュージックといった趣だが、それまでのポップ・ミュージックとは明らかに違う何かを当時は感じていた。1983年から1984年頃の全米チャートでは、当時20代の女性シンガーのヒット曲というものが少なかったもしくは無かったというのも好機だったような気がする。しかし当時はまさか30年経った今も第一線で活躍し、影響を与え続けるアーチストになるなんて思いもしなかった。
【オススメ度】★★★★★
マドンナの代表作といえば『ライク・ア・ヴァージン』とか『トゥルー・ブルー』だったり、最近だと『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』だったりすのだけど、俺はリアルタイムで聴いたこのアルバムこそ最高傑作だと思っている。上でも書いたが郊外からニューヨークに出てきたあか抜けなさと時代的なディスコ・ミュージックはこのアルバムだからこそ味わえるもので、次作『ライク・ア・ヴァージン』からはもう見事に計算しつくされたものとなってしまっているからだ。しかも代表曲だらけだし、これを知らずにマドンナを聴くのはもぐりだと断言してもいいだろう。(h)
【kakudayaの感想】
80年代のMTVとか当時は子供で全然リアルタイムでの体験ではないし、マドンナなんて無修正の写真集発売とか芸能ニュースで取り上げられるゴシップネタでしか知らなかった。音楽業界に限らず、現在に至るまでの彼女の精力的な活動が与えた影響が凄まじいものであることは想像に難くないが、何となくでしか理解できない。所謂自作自演するような女性ミュージシャンは大好物なんですけど、ポップアイコンみたいな存在には興味が持てないようです。なのでチッコーネ・ユースでも聴きます。
Madonna / Borderline
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