2013年12月29日日曜日
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン / レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン
Rage Against The Machine / Rage Against The Machine(1992年リリース)
①Bombtrack ②Killing in the Name ③Take the Power Back ④Settle for Nothing ⑤Bullet in the Head ⑥Know Your Enemy ⑦Wake Up ⑧Fistful of Steel ⑨Township Rebellion ⑩Freedom
【アルバムについて】
ミクスチャーとかクロスオーバーとか、ラップメタルとか言われるような音楽がどーもニガテだった。エアロスミスとRun–D.M.C.による「ウォーク・ディス・ウェイ」はともかく、バイオハザードのPVとか見ても近寄りがた過ぎて。映画『ジャッジメント・ナイト』のサントラとか聴いてもピンと来なかったのだけれども、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(以下RATM)の2ndアルバム『イーヴィル・エンパイア』の1曲目「ピープル・オブ・ザ・サン」と2曲目「ブルズ・オン・パレード」がカッコ良過ぎて。この2曲を聴いて本当にノックアウトされた気分だった。んで遡って聴いたのがこのセルフタイトルの1stアルバムなのでした。
RATMは4枚のアルバムを残して解散し、ザック・デ・ラ・ロッチャを除くメンバーがサウンドカーデンのクリス・コーネルと組んでオーディオスレイヴとして活動するなど迷走(?)したが、2007年には再結成。現在は活動を停止しているが、2014には活動を再開するのではないかと噂されているようだ。
【オススメ度】★★★★★
①からもう煽られまくり。歌詞やその活動から政治的な要素が強すぎる嫌いもあるが、そのサウンドに宿るパワーを是非体感してみて欲しい。でも正直言って俺に英語のヒアリング能力があったとしたら、説教臭過ぎて聴いてられないかも、と思ったりもする。2ndアルバム『イーヴィル・エンパイア』ももちろんオススメ。だが本当はライヴで見るのが一番良いのは言うまでもない。(k)
【hiroumiの感想】
俺があと10年遅く生まれていたら、きっとこのグループのことが大好きだったかもしれない。だけど30過ぎた頃にはどちらかというと苦手な音だった。結局そこから抜け出せずに40も半ばになったので、どう転んでも後追いすることもないのだろうなと思うのです。しかしこのジャケットはリリース当時はかなりのインパクトを受けて興味を持ったのになぜ聴いていないのだろう・・・。
2013年12月22日日曜日
ケイト・ブッシュ / 天使と小悪魔
Kate Bush / The Kick Inside(1978年リリース)
①Moving ②The Saxophone Song ③Strange Phenomena ④Kite ⑤The Man with the Child in His Eyes ⑥Wuthering Heights ⑦James and the Cold Gun ⑧Feel It ⑨Oh to Be in Love ⑩L'Amour Looks Something Like You ⑪Them Heavy People ⑫Room for the Life ⑬The Kick Inside
【アルバムについて】
ピンク・フロイドのデイヴ・ギルモアに見いだされ、19歳でデビューしたケイト・ブッシュの⑥は今では「恋のから騒ぎ」のオープニング曲としてのほうが有名かもしれない。イギリスでは4週連続1位を記録し、このデビュー・アルバムも大ヒット。全13曲からなるこのアルバムは内省的な曲が多いが、妖艶で心を揺さぶるその歌声は大きな影響を与えてくれる。LPでは①から⑥までがA面で、クオリティの高い楽曲が並ぶ。⑦以降がB面にあたるが、後半になると若干テンションが落ちる気もするが紛れもない傑作だと思う。余談だが、先日Twitterにてケイト・ブッシュのことを「元祖こじらせ女子」と形容している文を見たが、あながち外れてはいないんじゃないかと思う。だけどそんな下世話な表現では表せないのがケイト・ブッシュの音楽である。
【オススメ度】★★★★★
個人的には3枚目の『魔物語(Never For Ever)』をいちばん勧めたいし、2枚目の『ライオンハート(Lionheart)』や狂気の『ザ・ドリーミング(The Dreaming)』も捨てがたいので、正直言うとこのアルバムは4番目の優先度になってしまうんだけど、でも初めて聴くなら断然ここからだと思っている。そしてこれで好き嫌いが分かれるだろうとも思っている。残念なのは今販売されているCDのジャケットが上のケイトのドアップ写真ではなく、下のようなイラスト風なものだということ。それでも聴く価値はある。(h)
【kakudayaの感想】
完全に後追いの俺は、やっぱり「恋のから騒ぎ」…じゃなくて「嵐が丘」の印象が強すぎて。歌声だけじゃなくビジュアル含めホント個性的で素晴らしい。1stからこの妙な和テイストなジャケもたまらないじゃないですか。さんざん言及されてるんだろうけど唯一無二の存在という意味で、自分の中ではBjork的な位置付けですね。
James and the Cold Gun
2013年12月15日日曜日
フガジ / リピーター
Fugazi / Repeater(1990年リリース)
①Turnover ②Repeater ③Brendan #1 ④Merchandise ⑤Blueprint ⑥Sieve-Fisted Find ⑦Greed ⑧Two Beats Off ⑨Styrofoam ⑩Reprovisional ⑪Shut the Door ⑫Song #1 ⑬Joe #1 ⑭Break-In
【アルバムについて】
レーベル'DISCHORD'の経営者としても著名なイアン・マッケイが、マイナー・スレット解散後の紆余曲折を経て結成したバンド、フカジ。商業性を一切捨て安易な高揚感を煽るようなことは一切ないそのサウンドと楽曲は、悪く言えば愚直、良く言えば真摯で、ハードコアというよりもポスト・ハードコアという位置付けが妥当だと思う。音源としてはこれ以前の1989年に2枚のEPをコンパイルした"13 Songs"をリリースしており、またこの『リピーター』もアナログ盤に少し遅れてリリースされたCDには、EP"3 Songs"の音源が付与され"Repeater + 3 Songs"というタイトルになっており、上記の⑫~⑭が"3 Songs"に相当する。
【オススメ度】★★★★★
フカジは6枚のアルバムを残し、現在活動を停止している。個人的には後期の方が聴き易さ、取っつき易さがあるようにも思えるが、気のせいだろう。だからまずはどのアルバムでもいいから1枚聴いてみて欲しい。ところでウィーザーの項目にも書いたがエモというジャンルが何を指すのかイマイチ理解に苦しんでいる。フカジもエモの始祖的な位置付けをされることがあるが、ウィーザーとフカジの共通項って、バンドってことくらいじゃないの?(k)
【hiroumiの感想】
フガジは俺にとっては「境目」的なバンドだ。ポスト・ハードコアと言われているが、ハードコアと付く以上はやはりハードコアを期待してしまうのだけど、曲の中に転調があったりして必ずしもイメージとは違う。初期の"7 Songs"というEPとこのアルバムしか聴いていない俺にとってはかろうじてハードコア・バンドなのだけど、それだったらマイナー・スレットを率先して聴いてしまうのだ。そう、境目とは俺がイメージするハードコアのギリギリのところにいるバンドってわけだ。
2013年12月8日日曜日
レインボー / 銀嶺の覇者
Ritchie Blackmore's Rainbow(1975年リリース)
①Man on the Silver Mountain ②Self Portrait ③Black Sheep of the Family ④Catch the Rainbow ⑤Snake Charmer ⑥The Temple of the King ⑦If You Don't Like Rock 'n' Roll ⑧Sixteenth Century Greensleeves ⑨Still I'm Sad
【アルバムについて】
ブリティッシュ・ハード・ロック史にその名を残すレインボーは、まだディープ・パープル在籍中だったリッチー・ブラックモアのソロ・プロジェクトとして、③と⑧を録音したことがきっかけとなり、リッチー・ブラックモアズ・レインボー名義で制作された。アルバムに発展したのは、バックを務めたエルフというバンド、とりわけヴォーカルのロニー・ジェイムス・ディオとの相性の良さにリッチーが可能性を見出したためでもあったが、当時のディープ・パープル(第3期)がストレートなハードロックに留まらない方向へ向かっていることに我慢がならなかったからでもあった。エルフのメンバーが演奏に参加しているが、このアルバムではリッチーの指示どおりにきっちりと演奏させられた上に、ディオを残して全員解雇してしまうという、このアルバムから早くもリッチーの独裁ぶりが発揮されている。また、音楽的にはハードな曲は実は少なく、様式美のあるクラシカルなタイプな曲も含み、レインボーというバンドではなく、リッチー・ブラックモアのソロ・アルバム的な趣がある。そしてこのアルバム録音後、ヨーロッパ・ツアーを終えたディープ・パープルからリッチーは脱退し、1984年の再結成パープルに参加するまで、彼はレインボーを率いて活動していった。
【オススメ度】★★★★☆
レインボーで絶対に聴くべきアルバムはリッチー、ロニー、そしてコージー・パウエルによる「三頭政治」が最もうまくいった2枚目の"Rising(邦題『虹を翔る覇者』)であることは異論がないんじゃないかと思う。そしてロニーが好きであれば3枚目の"Gates Of Babylon(邦題『バビロンの城門』)と本作も聴かないと損!俺がレインボーはロニーがいた時期がすきなので、★4つにしているが、その贔屓目なしで見てもぜひ聴いてもらいたい1枚だ。④は美しい曲だね。(h)
【kakudayaの感想】
俺にとっての最初のレインボーは"Bent Out of Shape"(邦題『ストリート・オブ・ドリームス』)だったこともあり、クラシカルなリッチーの自己主張が控えめで、ラジオフレンドリーな楽曲の方が好きだったりする。以上、ジョー・リン・ターナー推しのマイノリティからの主張でした。
2013年12月1日日曜日
パール・ジャム / Ten
Pearl Jam / Ten(1991年リリース)
①Once ②Even Flow ③Alive ④Why Go ⑤Black ⑥Jeremy ⑦Oceans ⑧Porch ⑨Garden ⑩Deep ⑪Release
【アルバムについて】
10thアルバム『ライトニング・ボルト』をリリースし、今もなおロックバンドとして人気を維持し続けているパール・ジャム。そのバンドの生い立ちは、グランジの祖と言われるバンドのひとつであるグリーン・リヴァーが後にパール・ジャムを結成するストーン・ゴッサード(g)とジェフ・アメン(b)、同じくマッドハニーを結成するマーク・アーム(vo)とスティーヴ・ターナー(g)に分裂し解散してしまうことから始まる。ストーンとジェフはその後、マザー・ラヴ・ボーンの結成と消滅、サウンドガーデンのメンバーも参加したテンプル・オブ・ザ・ドッグでの活動を経てパール・ジャムを結成し、この1stアルバム『Ten』でいきなり成功を収める。パール・ジャムの『Ten』とニルヴァーナの『ネヴァーマインド』の成功は、シアトルから登場したグランジやオルタナティヴ・ロックと呼ばれた音楽によるムーヴメントを大きく後押しした。その勢いは、アリス・イン・チェインズやスクリーミング・トゥリーズといったシアトル出身のバンドだけでなく、スマッシング・パンプキンズやストーン・テンプル・パイロッツなどシアトル以外のバンドと共にメインストリームを完全に塗り替えてしまったのだ。だが80年代末から90年代初頭にかけて急激に立ち上がったこのムーヴメントは、94年のカート・コバーンの死によりあっけなくひとつの区切りを迎えてしまった。しかしパール・ジャムは結成20周年を迎えてもなお、シーンの最前線で活躍している。
【オススメ度】★★★★★
ニルヴァーナの音楽がポップの要素を持っていたのに対し、パール・ジャムの音楽は泥臭いハードロックであり、日本での人気はよりキャッチーなニルヴァーナに軍配が上がるだろう。だが、『Ten』と続く2ndアルバム『Vs』は一度は聴いてみて損はないはず。本当にいい曲がいっぱい詰まってると思う。(k)
【hiroumiの感想】
パール・ジャムは4枚目の"No Code"というアルバムで初めて聴いて、当時は好きなアルバムの1枚だった。そこから遡ろうとして前作の"Vitalogy"で「んん・・・?」となってしまった、なんでこんなアルバムが大ヒットしたのだろうと不思議でしょうがなかった。それで俺のパール・ジャム体験は終わりで、今はせいぜいニール・ヤングのバッキングに徹した『ミラーボール』を聴くぐらい。上でもkakudaya氏が『Ten』と『Vs』は聴いておけと書いているにも関わらず、その肝心の2枚を聴いていない俺はこれだから当時のシーンについていけなくなっちゃうのだろうなと思ったりもする。
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