2013年8月25日日曜日

ブッシュ / シックスティーン・ストーン


ブッシュ / シックスティーン・ストーン

Bush / Sixteen Stone(1994年リリース)
①Everything Zen ②Swim ③Bomb ④Little Things ⑤Comedown ⑥Body ⑦Machinehead ⑧Testosterone ⑨Monkey ⑩Glycerine ⑪Alien ⑫X-Girlfriend

【アルバムについて】
グランジそのまんまのサウンドを出す英国出身のバンドなんて、最初は冗談なのかと思った。⑤などで顕著なサビでダイナミックに盛り上がる曲の構成は、過去幾多のバンド達が使ってきたものだ。ニルヴァーナの焼き直しなんて言われたりするけど、この1stアルバムに収録された楽曲はよくできてて、フロントマンのキャヴィン・ロスデイルのルックスの良さもあってヒットした。その結果、「BU$H」なんて揶揄される始末である。ブッシュはシルヴァーチェアーの純真さも可愛げも持ち合わせてはいないが、個人的にはパドル・オブ・マッドよりはマシだと思う。因みに2ndアルバムのプロデューサーにスティーヴ・アルビニを起用するなど徹底してニルヴァーナを意識していたが、この1stアルバム以降の人気は下降の一途をたどるのみ。2010年に再結成され、現在も活動中らしい。

【オススメ度】★★☆☆☆
あまりにニルヴァーナ・ワナビー過ぎた。結局はノー・ダウトのグウェン・ステファニーの旦那のバンドって位置付けにしかならず、残念でした。さて、ここまででニルヴァーナと何回記述したでしょう?(k)

【hiroumiの感想】
曲を聴いて思い出した!その昔、友人が「ニルヴァーナのコピーバンド」と言って怒っていたことがあって、そうだよこのバンドだよw イギリスのバンドならイギリスっぽいことやれとか言ってたんだが、俺はここでも何度か書いていると思ったけど90年代以降のUKロックが嫌いなので、当時このアルバムの曲を友人の車の中で聴きながら「悪くないじゃん」なんて思っていたのだけど、彼が怒っていたから何も言わなかった。俺もその時だけしかこのアルバムを通して聴いなくて、グランジも実のところブームになっちゃってどうでもいいやという気持ちだったんだよね。20代半ばの話。



2013年8月18日日曜日

イギー・ポップ / ジ・イディオット


Iggy Pop / The Idiot

Iggy Pop / The Idiot(1977年リリース)
①Sister Midnight ②Nightclubbing ③Funtime ④Baby ⑤China Girl ⑥Dum Dum Boys ⑦Tiny Girls ⑧Mass Production

【アルバムについて】
ザ・ストゥージズが自然消滅のように終わった後、イギー・ポップが約3年のブランクを経て発表したソロ・アルバム。このアルバムにはデヴィッド・ボウイが大きく関わっていて、ちょうどボウイの『ロウ』や『ヒーローズ』などのベルリン期と同じような音を踏襲した作りとなっている。だからパンクなイギーを期待して聴くと大外れではあるけど、そういった事情なんかを踏まえて聴くと大変素晴らしい作品だというのが分かると思う。そういえばかつて某音楽評論家がこのアルバムをして「パンクロッカーから知的なロッカーへ変貌」と表現していたんだけど、俺は今でもこれには首をかしげてしまう。イギーにとってはカムバックするチャンスがそこにあって、たままたそれに乗っかっただけだと思うんだよね。こういう音楽性を目指していたわけじゃないだろうし。イギー好きなのは分かるけど、それは言い過ぎだろうと、イギー好きな俺は思います。

【オススメ度】★★★★★
イギー・ポップのアルバムはどうしてもザ・ストゥージズの延長っぽいものになってしまって、特に近年のは食傷気味な感もあった。やはりそういう彼の音楽性を考えるとある種異端であるこのアルバムは絶対に聴いておいたほうがいいかなと思う。それと次作の"Lust For Life"も。(h)

【kakudayaの感想】
当時を全く知らない者としては、デヴィッド・ボウイの先進的なファッションセンスと、イギー・ポップの肉体という相対するヴィジュアルイメージが先行してしまい、この二人の共通項が未だに見出せないでいる。ちょっとウェットで耳障りなスネアの音がどれだけ繰り返されようと、ギャンギャン唸るギターとそこに乗っかるイギーの声があれば、ストゥージズを思い起こさせる。こういうよくわからないジャケットの写真、大好きです。



2013年8月11日日曜日

マーズ・ヴォルタ / ディラウズド・イン・ザ・コーマトリアム


マーズ・ヴォルタ / ディラウズド・イン・ザ・コーマトリアム

The Mars Volta / De-Loused in the Comatorium(2003年リリース)
①Son et Lumière ②Inertiatic ESP ③Roulette Dares (The Haunt of) ④Tira Me a las Arañas ⑤Drunkship of Lanterns ⑥Eriatarka ⑦Cicatriz ESP ⑧This Apparatus Must Be Unearthed ⑨Televators ⑩Take the Veil Cerpin Taxt

【アルバムについて】
オルタナ、ポストハードコア的なアット・ザ・ドライヴイン(ATDI)のVo.とG.が立ち上げた、より実験的表現を求めるバンド、マーズ・ヴォルタ。プログレ、ハードロック、ジャズ、フュージョンなど、本人たちの好き勝手にさまざまな要素を詰め込み過ぎて、それぞれのジャンルのファンからは見向きもされなくなっている嫌いもあるのではないだろうか。前身のATDIにはなかった、俺の琴線に触れるメロディがこの作品には溢れるように存在しており、7分を超える③や⑤を一気に聴かせてしまう独特の勢い、雰囲気がある。ATDIを含めライヴバンドであり、解散してその楽曲をライヴで体験できなくなってしまったことは本当に残念。

【オススメ度】★★★★☆
★5つと言いたいところだが、そのパフォーマンスを生で拝めなくなってしまったので★をひとつ減らす。ATDIと同じく一時的でもいいから再結成して欲しい。(k)

【hiroumiの感想】
ああ、このジャケットのバンドか!当時、このジャケットを見て「センス悪っ!」と思ってそれっきりだったなぁ。2008年の"Bedlam in Goliath"は少しだけ聴いていいねと思っていたけど、まさか同じバンドのアルバムだったとは。そう、このアルバムのジャケットだけで判断したものだから、これがマーズ・ヴォルタのアルバムだったとは、ここで初めて知った。でも"Bedlam in Goliath"は若干プログレっぽさがあったような気がするから、ちょっと聴き比べてみないと俺はなんとも言えない。下のYouTubeに貼られた②は良い。



2013年8月4日日曜日

ブラック・フラッグ / Damaged


Black Flag / Damaged

Black Flag / Damaged(1981年リリース)
①Rise Above ②Spray Paint ③Six Pack ④What I See ⑤TV Party ⑥Thirsty And Miserable ⑦Police Story ⑧Gimmie Gimmie Gimmie ⑨Depression ⑩Room 13 ⑪Damaged II ⑫No More ⑬Padded Cell ⑭Life Of Pain ⑮Damaged I

【アルバムについて】
USハードコア・パンクを聴くなら必須の1枚。1976年に結成されたにも関わらず、最初のアルバムが出たのは1981年。それまでに何度もメンバーチェンジを行い、ヘンリー・ロリンズですでに4代目のヴォーカリストである。それまで全米をくまなく回りライヴに明け暮れ、Do It Yourself の精神を貫いたことでその後のインディー・バンドの基盤を作ったのは彼らであることは間違いない。このアルバムではハードコア・パンクというだけでなく、後のグランジにも通じる重さが加わった唯一無二の存在となっている。

【オススメ度】★★★★★
これを聴かないのであればUSハードコアは聴いていないに等しいと思う。続く"My War"ではすでにハードコアという枠を超えてしまっているが、このアルバムはそれまでのシングル中心のパンクとのバランスが絶妙だ。とにかく聴いとけ。(h)


【kakudayaの感想】
俺が初めて聴いたハードコア。インディペンデントとかD.I.Y.とか大事だけど、そういうのを全てどうでも良いと思わせる勢いが本当に凄まじい。マッチョとかストロングスタイルとかパワーバイオレンスとかいう言葉とは距離を置きたいナード気質な俺だけど、大好きです。