2014年3月16日日曜日
ヴァン・ヘイレン / 炎の導火線
Van Halen(1978年リリース)
①Runnin' with the Devil ②Eruption ③You Really Got Me ④Ain't Talkin' 'bout Love ⑤I'm the One ⑥Jamie's Cryin' ⑦Atomic Punk ⑧Feel Your Love Tonight ⑨Little Dreamer ⑩Ice Cream Man ⑪On Fire
【アルバムについて】
最初に聴いたヴァン・ヘイレンは5枚目の"Diver Down"というアルバムだった。当時"Oh! Pretty Woman"(余談だけど、映画の「プリティ・ウーマン」がヒットしてから主題歌となったロイ・オービソンのこの曲まで「プリティ・ウーマン」というタイトルで呼ばれるのがどうにも我慢ならない。「オー!プリティ・ウーマン」だからな)を日曜朝のAMラジオの洋楽ベストテンで何度も聴いて、後にレコードを借りて聴いたのが最初だった。ほどなくして大ヒットとなった"1984"を聴き、遡ってこのアルバムに辿り着いた。それまでに聴いていた2枚のアルバムはどちらかというとポップな印象を持っていたが、このアルバムを聴いてエドワード・ヴァン・ヘイレンがギターに革命的なことをしたと言われていたのが「なんとなく」分かった。そう、俺はギターやら楽器をやらないので、なんとなくでしか分からないのだ。デイヴ・リー・ロスの個性的なヴォーカルもすでに注目に値するが、やはりこのアルバムはエディのギターが主役なんだろうなと思った。ギターが片方のチャンネルだけにしか入っていないのもワザとそうしたのかなとか思ってしまう。キンクスのカバーである③ばかりが目立っているが、俺はやっぱり⑦を初めて聴いた時の驚きの方が大きいのだ。
【オススメ度】★★★★★
ヴァン・ヘイレンはヴォーカリストがデイヴ・リー・ロスからサミー・ヘイガーに変わり、さらに元エクストリームのゲイリー・シャローンになり、今は再びデイヴに戻っているが、デイヴ時代とサミー時代では音楽的にも若干違いがあるし、聴く人によって好みのアルバムは変わるかもしれないが、このアルバムは必聴だろう。これを聴かずしてヴァン・ヘイレンはないだろうね。(h)
【kakudayaの感想】
俺が初めて聴いたヴァン・ヘイレンはサミー・ヘイガーがヴォーカルでした。ジャケットでひと悶着あった『バランス』がリリースされる何年か前。エドワード・ヴァン・ヘイレンは流行に合わせて風貌を変えたり、ベース首にして自分の息子をメンバーに加えるとか、音楽以外の面も含めて好みじゃない。だから、今回初めてYoutubeで聴いた初期の曲も興味が持てませんでした。スゴいギタリストなんだろうけど、好きでも嫌いでもないんです。ゴメンなさい。
Atomic Punk
2014年3月9日日曜日
スリーター・キニー / スリーター・キニー
Sleater-Kinney / Sleater-Kinney(1995年リリース)
①Don't Think You Wanna ②The Day I Went Away ③A Real Man ④Her Again ⑤How to Play Dead ⑥Be Yr Mama ⑦Sold Out ⑧Slow Song ⑨Lora's Song ⑩The Last Song
【アルバムについて】
2006年の初夏、スリーター・キニーの活動停止が発表された。会社でこの突然のニュースを知った俺は酷く動揺し、仕事が手につかなかった。こんなことはホントに久しぶりだった。彼女達の音楽を初めて聴いたときは、その出会いに感謝した。完璧だった。彼女達は俺のジョーイ・ラモーンだった。サーストン・ムーアだった。それ以上だった。
スリーター・キニーはオリンピア出身のベースレスの女性3人組で、所謂Riot Grrrlの系譜にあるものではビキニ・キル以降、最も有名になったバンドのひとつではないだろうか。このセルフタイトルの1stアルバムでは、ドラマーがまだジャネット・ワイスになる前ということもあり、ギターも含めて演奏がヘタクソだし、録音状態も良くない。だが、この初期衝動的な勢いと歌詞の生々しさはパンクそのものだ。
【オススメ度】★★★★☆
Riot Grrrlみたいなシーンに理解がある人には無条件でオススメするが、一般的なウケは悪いだろう。初めて聴く方には、ブレイクした3rdアルバム『ディグ・ミー・アウト』や、デイヴ・フリッドマンがプロデュースした最後のアルバム『ザ・ウッズ』あたりが無難だが、この『ザ・ウッズ』をはじめとする後期のアルバムになるとガレージやパンクというよりもロックバンド然とした楽曲とサウンドに昇華されており、好みの分かれるところ。個人的には荒々しさが残る2ndアルバム『コール・ザ・ドクター』と、俺の琴線に触れまくる楽曲揃いの『ザ・ホット・ロック』を推したい。(k)
【hiroumiの感想】
90年代のある日、ロッキング・オンを見ていたら輸入盤の紹介ページにひっそりと載っていたジャケット。「お、キンクスの"The Kinks Kontroversy"か!?」と思ったらジャケットに写っているのは女性メンバーで、なかなかやるなと思った。何年かあとにそのアルバム"Dig Me Out"を聴いてそれなりに気に入っていたが、他のアルバムを聴く機会はその後無かった。調べてみるとその"Dig Me Out"は3枚目のアルバムで、初期からすでにスタイルは確立されているというか、徹底していたんだなと思った。だけどメッセージなども含めて、その徹底ぶりが今の時代にはそぐわないのかなと思ったりもする、世の中が軟弱なんだよね。
2014年3月2日日曜日
プリンス / フォー・ユー
Prince / For You (1978年リリース)
①For You ②In Love ③Soft And Wet ④Crazy You ⑤Just As Long As We're Together ⑥Baby ⑦My Love Is Forever ⑧So Blue ⑨I'm Yours
【アルバムについて】
今や説明が不要な人かもしれないプリンスは20歳の時にこのアルバムでデビューした。当時は異例の、全曲一人で録音したセルフ・プロデュース作で、契約したワーナーもよくぞそんな作品を受け入れたなと思う。1978年当時ではブラック・ミュージックは「ブラック・コンテンポラリー」などと呼ばれ、AORちっくな雰囲気を持った小気味良い黒人音楽を指していたのかな、この作品でもそのような雰囲気を感じる②や③がある一方で、ギターを弾きまくる⑨、後の渋谷系のミュージシャンも影響受けているだろうと思わせる⑦などクオリティが高い。ちなみに日本で最初に出たプリンスのアルバムは次作の『愛のペガサス』で、このアルバムはもうちょっと後になってリリースされたと記憶している。
【オススメ度】★★★☆☆
アルバムがたくさんあるのでどれを聴いてもいいと思うが、やはり80年代の『パープル・レイン』から『サイン・オブ・ザ・タイムス』までのアルバムを最初に聴くべきかと思う。それで聴けるのであれば遡ってこのアルバムまでくるのが良いかもしれない。いつもならサンプルとして収録曲を下に貼り付けておくのだが、なんとこのアルバムの曲がYouTubeには全く無い状態だ。ネット上の「海賊行為」を許せないプリンス本人による制限がかかっているのではないだろうか。(h)
【kakudayaの感想】
'The Most Beautiful Girl in the World'が、俺が初めてまともに聴いたプリンスの曲だった。それ以前の接点は'Batdance'の空耳「農協牛乳」ってのがあった程度。それで今回初めて聴いたこの1stアルバム、既にプリンスのファルセットによる歌い方とコーラスが確立されてて、特に⑤のグルーヴィな感じが気に入った。この才能溢れるマルチプレイヤーぶりといい、CD販売のビジネスを見限る先見性といい、ホントに天才なんだろう。
2014年2月23日日曜日
ウォーペイント / ザ・フール
Warpaint / The Fool(2010年リリース)
①Set Your Arms Down ②Warpaint ③Undertow ④Bees ⑤Shadows ⑥Composure ⑦Baby ⑧Majesty ⑨Lissie's Heart Murmur
【アルバムについて】
LA出身のウォーペイントを紹介するのに、ドリームポップと言ってしまえばそうなのだろう。2008年のデビューEP"Exquisite Corpse"はジョン・フルシャンテの手によりミックスされたり、メンバーだったジョシュ・クリングホッファーがレッド・ホット・チリ・ペッパーズに移籍するなど当時も音楽以外の話題性に事欠かなかったが、現在でもテレサ(ヴォーカル&ギター)がジェイムス・ブレイクと付き合っていたり、ジェニー・リー(ベース)がクリス・カニンガムと結婚していたりと話題豊富である。さて、2010年にリリースされたこの1stアルバム『ザ・フール』では商業的に大きな成功を収めることはできなかったように思う。セルフタイトルの2ndアルバム『ウォーペイント』は、2014年1月のリリースに合わせて精力的に世界各地をツアーをしており、ツアーの一環として先日のホステス・クラブ・ウィークエンダーにも登場し、2011年のフジロックに続く2度目の来日を果たしている。
【オススメ度】★★★★★
EP"Exquisite Corpse"が物凄い中身の濃いものであったのに対し、正直この1stアルバムはちょっとまとまり過ぎてつまらなく感じる部分もある。けれども個人的には本当に大好きなバンドで、特に⑥なんて何回聴いたかわからない。因みに日本盤にはボーナストラックとしてデヴィッド・ボウイのカバー'Ashes to Ashes'が収録されている。(k)
【hiroumiの感想】
前に「ドリームポップ」と形容されたあるバンドを聴いたことがあるのだが、まったく俺向きではなかった。だからいまここでこのウォーペイントをドリームポップと書かれているのを見て身構えてしまったが、さすがkakudaya氏が好むバンドだけあって以前感じたようなガッカリ感は無い。今まで聴いたことがなかったので音のイメージが全くなかったが、②と③(下のPV)を聴いてドリームポップという言葉では括れないスケール感があると思った。そして5年以上のキャリアがあるのに出たばかりのアルバムがまだ2枚目とか、先入観をことごとく覆してくれるね。
2014年2月16日日曜日
OFF! / First Four EPs
OFF! / First Four EPs(2010年リリース)
①Black Thoughts ②Darkness ③I Don't Belong ④Upside Down ⑤Poison City ⑥Now I'm Pissed ⑦Killing Away ⑧Jeffrey Lee Pierce ⑨Panic Attack ⑩Crawl ⑪Blast ⑫Rat Trap ⑬Fuck People ⑭Full Of Shit ⑮Broken ⑯Peace In Hermosa
【アルバムについて】
元Black Flag、元Circle Jerksのヴォーカル、キース・モリスが新たに結成したバンドで、最初のアルバムとなる本作は4曲入りの7インチEP4枚組という形での発表となった(CDは後からリリースされている)。1分前後の曲ばかりで全16曲で18分というハードコア・パンクなアルバムで、ジジイになってもその姿勢を貫くキースには尊敬の念を抱いてしまう。歳をとって日和ったあげく時代錯誤な音楽をやられるよりは、ハードコアであったほうが聴く方としても信用できるってものだ。ただ惜しいのは突出した曲がなく平均点的に聴こえてしまうことだが、わずかな時間で聴き終わってしまうのでそんなことは考える必要はないかもしれない。ちなみに、キースと親友であるレッド・ホット・チリ・ペッパーズのアンソニー・キーディスはプロモーションも兼ねてこのバンドのキャップを被っていて、2011年のサマーソニックの時も被っていた。
【オススメ度】★★★★★
2012年にはセルフ・タイトルの2ndアルバムをリリースし、今年2014年春には3枚目のアルバムを出すことが決まっているOFF!、俺は今のところこのアルバムしか聴いていないので比較することはできないが、USハードコアを好む者であればマストなアルバムであることは間違いない。去年、Black Flagが再結成して新しいアルバムを出したが、それを聴くよりは絶対に先にこのバンドを聴いておけというのが俺からのアドバイス。(h)
【kakudayaの感想】
Circle Jerksなんて聴いたことはないけど、編集盤"Wasted...Again"で聴いたBlack Flagデビュー当時のキース・モリスの歌い方はジョニー・ロットンの影響下にあり、パンクがハードコアに変貌していく過程を垣間見ているようで興味深い。そんな時代の生き証人みたいなミュージシャンが今も現役で、しかもこんな馬鹿みたいな音楽(褒めてる)を続けてることに勇気づけられる。継続は力なり。
OFF! / Darkness
OFF! / I Don't Belong
2014年2月9日日曜日
ドーター / イフ・ユー・リーヴ
Daughter / The Bones of What You Believe(2013年リリース)
①Winter ②Smother ③Youth ④Still ⑤Lifeforms ⑥Tomorrow ⑦Human ⑧Touch ⑨Amsterdam ⑩Shallows
【アルバムについて】
ドーターはロンドン出身の3人組。2013年に1stアルバム『イフ・ユー・ビリーヴ』をリリースし、同年のフジロックフェスティバルのレッドマーキーのステージに登場し初来日を果たす。迫る2014年2月15日(土)にはホステス・クラブ・ウィークエンダーにも登場が予定されている。中心人物のエレナ(ヴォーカルとギター)の佇まいはフロント(ウー)マンを務めるのにはいささか心許ないシャイなキャラクターのようで、MCも控えめに歌いながらシューゲイズする。だかその一所懸命な姿とそのサウンドが構築する世界に心奪われてしまう俺なのでした。
余談だが、最近のライヴではダフト・パンクの「ゲット・ラッキー」をカバーすることが定番となっているようだ。全く踊れそうにない。
【オススメ度】★★★★☆
この1stアルバムは2011年にリリースされた2枚のEPと比較してよりプロデュースされサウンドがはっきりしており、好みの分かれるところだろう。4ADの系譜に則った陰鬱さはあるものの、若さや瑞々しさをも感じるシューゲイザーといったところか。(k)
【hiroumiの感想】
4ADなんだ。コクトー・ツインズのようなジャケットだなと思ったらやっぱりそうか。トリオなのに壮大さを感じる曲なんだけど(下のPV)、しかし映像ばっかり見てしまう作りはずるいw あともうひとつ褒めるなら、アルバム収録曲のタイトルがどれも単語1つってところ。
2014年2月2日日曜日
ジェフ・バックリィ / グレース
Jeff Buckley / Grace(1994年リリース)
①Mojo Pin ②Grace ③Last Goodbye ④Lilac Wine ⑤So Real ⑥Hallelujah ⑦"Lover, You Should've Come Over" ⑧Corpus Christi Carol ⑨Eternal Life ⑩Dream Brother ⑪Forget Her
【アルバムについて】
60年代のカルト的なフォーク・シンガー、ティム・バックリィを父親に持つジェフ・バックリィは、ニューヨークで音楽活動を始めたもののいまいちパッとせずに不遇の時期を過ごしていたが、亡き父のトリビュート・コンサートでその歌声で注目を浴びた。その後ライヴEPを経てこのデビュー・アルバムをリリースしたのだが、当時ロッキング・オンでも推していたから俺もその名を知り、すぐにアルバムを聴いた。当時はグランジやオルタナティヴがメイン・ストリームだったこともあり、そういうアレンジが多少はあるもののどこか物足りなさを感じていたが、彼のヴォーカルは本当に素晴らしいと思った。いま聴くとそのわずかながらのオルタナティヴ要素が邪魔くさいのがもったいないと思える。当時は割と夢中になって聴いていたから、次の新しいアルバムを期待していたのだけど、2枚目のアルバムを制作している途中に川で溺死という非常にショッキングな事故が起こってしまった。若くして亡くなるなんて、そんなところを親子で似なくても良かったのに・・・・。
【オススメ度】★★★★★
生前にリリースされたアルバムは本作のみだから、これを聴かなきゃ始まらない。俺はこのアルバムは本当に好きだったけど、死後に未発表曲を集めたアルバムやら、いろいろなアルバムがリリースされるものだから、いまは逆に醒めてしまっている。久々にこのアルバムを聴いたけどやっぱりいいわ。そろそろ死後に出たアルバムも聴いてみようかなと思う。(h)
【kakudayaの感想】
血統や若過ぎる死などどうでもよくなる名盤。カテゴリーとしてはロックの範疇に入るのだろうが実際にロック的な響きを聴かせてくれるのは⑨くらいで、初期衝動に任せたような安易なカタルシスを得ることはできない。型にはめられない、完全に唯一無二のジェフ・バックリィの世界がその声を中心に展開される。音源が限られてしまったことが非常に悔やまれるが、墓場を掘り起こすような行為はもうたくさん。
登録:
投稿 (Atom)






