2013年12月15日日曜日
フガジ / リピーター
Fugazi / Repeater(1990年リリース)
①Turnover ②Repeater ③Brendan #1 ④Merchandise ⑤Blueprint ⑥Sieve-Fisted Find ⑦Greed ⑧Two Beats Off ⑨Styrofoam ⑩Reprovisional ⑪Shut the Door ⑫Song #1 ⑬Joe #1 ⑭Break-In
【アルバムについて】
レーベル'DISCHORD'の経営者としても著名なイアン・マッケイが、マイナー・スレット解散後の紆余曲折を経て結成したバンド、フカジ。商業性を一切捨て安易な高揚感を煽るようなことは一切ないそのサウンドと楽曲は、悪く言えば愚直、良く言えば真摯で、ハードコアというよりもポスト・ハードコアという位置付けが妥当だと思う。音源としてはこれ以前の1989年に2枚のEPをコンパイルした"13 Songs"をリリースしており、またこの『リピーター』もアナログ盤に少し遅れてリリースされたCDには、EP"3 Songs"の音源が付与され"Repeater + 3 Songs"というタイトルになっており、上記の⑫~⑭が"3 Songs"に相当する。
【オススメ度】★★★★★
フカジは6枚のアルバムを残し、現在活動を停止している。個人的には後期の方が聴き易さ、取っつき易さがあるようにも思えるが、気のせいだろう。だからまずはどのアルバムでもいいから1枚聴いてみて欲しい。ところでウィーザーの項目にも書いたがエモというジャンルが何を指すのかイマイチ理解に苦しんでいる。フカジもエモの始祖的な位置付けをされることがあるが、ウィーザーとフカジの共通項って、バンドってことくらいじゃないの?(k)
【hiroumiの感想】
フガジは俺にとっては「境目」的なバンドだ。ポスト・ハードコアと言われているが、ハードコアと付く以上はやはりハードコアを期待してしまうのだけど、曲の中に転調があったりして必ずしもイメージとは違う。初期の"7 Songs"というEPとこのアルバムしか聴いていない俺にとってはかろうじてハードコア・バンドなのだけど、それだったらマイナー・スレットを率先して聴いてしまうのだ。そう、境目とは俺がイメージするハードコアのギリギリのところにいるバンドってわけだ。
2013年12月8日日曜日
レインボー / 銀嶺の覇者
Ritchie Blackmore's Rainbow(1975年リリース)
①Man on the Silver Mountain ②Self Portrait ③Black Sheep of the Family ④Catch the Rainbow ⑤Snake Charmer ⑥The Temple of the King ⑦If You Don't Like Rock 'n' Roll ⑧Sixteenth Century Greensleeves ⑨Still I'm Sad
【アルバムについて】
ブリティッシュ・ハード・ロック史にその名を残すレインボーは、まだディープ・パープル在籍中だったリッチー・ブラックモアのソロ・プロジェクトとして、③と⑧を録音したことがきっかけとなり、リッチー・ブラックモアズ・レインボー名義で制作された。アルバムに発展したのは、バックを務めたエルフというバンド、とりわけヴォーカルのロニー・ジェイムス・ディオとの相性の良さにリッチーが可能性を見出したためでもあったが、当時のディープ・パープル(第3期)がストレートなハードロックに留まらない方向へ向かっていることに我慢がならなかったからでもあった。エルフのメンバーが演奏に参加しているが、このアルバムではリッチーの指示どおりにきっちりと演奏させられた上に、ディオを残して全員解雇してしまうという、このアルバムから早くもリッチーの独裁ぶりが発揮されている。また、音楽的にはハードな曲は実は少なく、様式美のあるクラシカルなタイプな曲も含み、レインボーというバンドではなく、リッチー・ブラックモアのソロ・アルバム的な趣がある。そしてこのアルバム録音後、ヨーロッパ・ツアーを終えたディープ・パープルからリッチーは脱退し、1984年の再結成パープルに参加するまで、彼はレインボーを率いて活動していった。
【オススメ度】★★★★☆
レインボーで絶対に聴くべきアルバムはリッチー、ロニー、そしてコージー・パウエルによる「三頭政治」が最もうまくいった2枚目の"Rising(邦題『虹を翔る覇者』)であることは異論がないんじゃないかと思う。そしてロニーが好きであれば3枚目の"Gates Of Babylon(邦題『バビロンの城門』)と本作も聴かないと損!俺がレインボーはロニーがいた時期がすきなので、★4つにしているが、その贔屓目なしで見てもぜひ聴いてもらいたい1枚だ。④は美しい曲だね。(h)
【kakudayaの感想】
俺にとっての最初のレインボーは"Bent Out of Shape"(邦題『ストリート・オブ・ドリームス』)だったこともあり、クラシカルなリッチーの自己主張が控えめで、ラジオフレンドリーな楽曲の方が好きだったりする。以上、ジョー・リン・ターナー推しのマイノリティからの主張でした。
2013年12月1日日曜日
パール・ジャム / Ten
Pearl Jam / Ten(1991年リリース)
①Once ②Even Flow ③Alive ④Why Go ⑤Black ⑥Jeremy ⑦Oceans ⑧Porch ⑨Garden ⑩Deep ⑪Release
【アルバムについて】
10thアルバム『ライトニング・ボルト』をリリースし、今もなおロックバンドとして人気を維持し続けているパール・ジャム。そのバンドの生い立ちは、グランジの祖と言われるバンドのひとつであるグリーン・リヴァーが後にパール・ジャムを結成するストーン・ゴッサード(g)とジェフ・アメン(b)、同じくマッドハニーを結成するマーク・アーム(vo)とスティーヴ・ターナー(g)に分裂し解散してしまうことから始まる。ストーンとジェフはその後、マザー・ラヴ・ボーンの結成と消滅、サウンドガーデンのメンバーも参加したテンプル・オブ・ザ・ドッグでの活動を経てパール・ジャムを結成し、この1stアルバム『Ten』でいきなり成功を収める。パール・ジャムの『Ten』とニルヴァーナの『ネヴァーマインド』の成功は、シアトルから登場したグランジやオルタナティヴ・ロックと呼ばれた音楽によるムーヴメントを大きく後押しした。その勢いは、アリス・イン・チェインズやスクリーミング・トゥリーズといったシアトル出身のバンドだけでなく、スマッシング・パンプキンズやストーン・テンプル・パイロッツなどシアトル以外のバンドと共にメインストリームを完全に塗り替えてしまったのだ。だが80年代末から90年代初頭にかけて急激に立ち上がったこのムーヴメントは、94年のカート・コバーンの死によりあっけなくひとつの区切りを迎えてしまった。しかしパール・ジャムは結成20周年を迎えてもなお、シーンの最前線で活躍している。
【オススメ度】★★★★★
ニルヴァーナの音楽がポップの要素を持っていたのに対し、パール・ジャムの音楽は泥臭いハードロックであり、日本での人気はよりキャッチーなニルヴァーナに軍配が上がるだろう。だが、『Ten』と続く2ndアルバム『Vs』は一度は聴いてみて損はないはず。本当にいい曲がいっぱい詰まってると思う。(k)
【hiroumiの感想】
パール・ジャムは4枚目の"No Code"というアルバムで初めて聴いて、当時は好きなアルバムの1枚だった。そこから遡ろうとして前作の"Vitalogy"で「んん・・・?」となってしまった、なんでこんなアルバムが大ヒットしたのだろうと不思議でしょうがなかった。それで俺のパール・ジャム体験は終わりで、今はせいぜいニール・ヤングのバッキングに徹した『ミラーボール』を聴くぐらい。上でもkakudaya氏が『Ten』と『Vs』は聴いておけと書いているにも関わらず、その肝心の2枚を聴いていない俺はこれだから当時のシーンについていけなくなっちゃうのだろうなと思ったりもする。
2013年11月24日日曜日
アンダーワールド / アンダーニース・ザ・レイダー
Underworld / Underneath the Radar(1987年リリース)
①Glory! Glory! ②Call Me No.1 ③Rubber Ball (Space Kitchen) ④Show Some Emotion ⑤Underneath the Radar ⑥Miracle Party ⑦I Need a Doctor ⑧Bright White Flame ⑨Pray ⑩The God Song
【アルバムについて】
80年代前半に前身となるバンドを経て、1986年に結成されたアンダーワールドは、トンプソン・ツインズのトム・ベイリーによるプロデュースでアルバム・デビュー。1988年にセカンド・アルバムを出すがさほど話題になることもなく、3枚目のアルバム・レコーディング中にレーベルから契約を切られる。そしてのちに今の形態となるテクノ、エレクトロニカを打ち出した音へと路線変更をし、映画「トレインスポッティング」で有名になった「ボーン・スリッピー」の世界的ヒットによって誰もが知るところとなる。この1stアルバムは80年代特有のエレポップといった趣で、リアルタイムでこの手の音を聴いた俺にも、どこに売れる要素があるのかまったく分からない。そして今のアンダーワールドからはかなりかけ離れたイメージのアルバムでもある。ただ、現時点での最新作"Barking"を作成するにあたって、メンバーはこのアルバムを久々に聴きなおしてインスピレーションを得たようなので、彼らにとっては根柢は変わっていないのかもしれない。
【オススメ度】★☆☆☆☆
とんだB級アルバムw アンダーワールドのアルバムなら全部持っておきたいという人向けであって、2,3枚聴いたところで興味本位で手を出すと失敗すること間違いなし。でも80年代のヒューマン・リーグやソフト・セルなんかのエレポップ的な音が聴きたいのであれば聴いてみてもいいのでは!?それと、上の文章で「リアルタイムでこの手の音を・・・」と書いたけど、当時また彼らのことは全く知らなかったのでこのアルバムを聴いたわけではありません。勘違いなさらなうように。(h)
【kakudayaの感想】
教科書的な話になっちゃうけど、ケミカル・ブラザーズの『さらばダスト惑星』('95年)辺りから始まり、プロディジーの『ザ・ファット・オブ・ザ・ランド』('97年)でスゴくブレイクして、テクノといわれるような音楽が日本のロックファンにも受け入れられるようになったんだよね。デジロック、デジタルロックなんてどうしようもない言葉も日本で生まれた。その流れの中でも映画「トレインスポッティング」('96年)で使われた「ボーン・スリッピー」(Born Slippy .NUXX)はまた格別だったけど、個人的にはルックス含め、プロディジーが大好きだったな。でもプロディジーにしてもアンダーワールドにしても、当時は過去に遡ってまで聴く気ほどハマらなかった。今回YouTubeで聴いてみて、嫌いじゃないけどそれでよかったと思ってる。
2013年11月17日日曜日
ウィーザー / ウィーザー
Weezer / Weezer(1994年リリース)
①My Name Is Jonas ②No One Else ③The World Has Turned and Left Me Here ④Buddy Holly ⑤Undone – The Sweater Song ⑥Surf Wax America ⑦Say It Ain't So ⑧In the Garage ⑨Holiday ⑩Only in Dreams
【アルバムについて】
日本人の女性と結婚し、2013年にはALLiSTERのスコット・マーフィーと全歌詞日本語で歌われるアルバム『スコットとリバース』を発売するなど国内でもブレイクしそうな気配があったリヴァース・クオモ。結局はそのアルバムのプロモーションのみでそれ以降メディアへの露出もすっかり減り、日本でのマーティ・フリードマンの認知度を超えるまでに至っていないなぁという感じ。そんな親日家リヴァースが中心メンバーを務めるパワーポップなバンドがウィーザーだ。通称「ブルーアルバム」と呼ばれるこのセルフタイトルのデビュー作は、ザ・カーズのリック・オケイセックをプロデューサーに迎え、シングルカットされた④と⑤のPVはスパイク・ジョーンズが手掛けるなど(なぜかWindows95のCD-ROMには④のPVが収録されていたり)、力を入れただけあっていきなり成功を収めることとなる。続く2ndアルバム『ピンカートン』は96年発売当時、日本以外の地域では良い評価を得ることができなかった。その後もバンドは休止やメンバーの脱退など紆余曲折ありながらも活動を続け、2009年には7thアルバム『ラディテゥード』を発売しているが、ファンの間では1stアルバムと2ndアルバムの評価が高いのではないだろうか。
【オススメ度】★★★★★
Weezerを聴くならこの1stから!
ところで日本では主にパワーポップと形容される彼らだが、いつの間にかエモと呼ばれるジャンルに組み込まれていたりもする。俺は未だにエモってジャンルを全く把握できていないから良くわからない。(k)
【hiroumiの感想】
90年以降のシーンをしっかり追っていないから漠然としたイメージなんだけど、ある時期から耳にするバンドの音って静かなアコースティックな導入からいきなりジャーンと騒がしくなる展開なのが多いなと思うことがあって、後追いでこのアルバムを聴いて「元凶はこいつらか?」って思ったのですよ。①なんかまさにその典型じゃないか。実際はそういう流れができていたのかは分からないけど、影響力は間違いなくあるんだろうね、このアルバムは。ありきたりだけど、④のメロディが好きだな俺は。
2013年11月10日日曜日
ルー・リード / ロックの幻想
Lou Reed(1972年リリース)
①I Can't Stand It ②Going Down ③Walk And Talk It ④Lisa Says ⑤Berlin ⑥I Love You ⑦Wild Child ⑧Love Makes You Feel ⑨Ride Into The Sun ⑩Ocean
【アルバムについて】
2013年10月27日、ルー・リードはついにあの世に行ってしまった。1970年にヴェルヴェット・アンダーグラウンドを脱退したルーは印刷工をしながら生活していたそうだが、すぐにRCAレコード契約してこのアルバムの制作に取り掛かった。大半の曲はヴェルヴェッツ時代の曲で、同グループへの落とし前をつけるのが彼にとっては最初にすべきことだったのだろう。シンプルなロック・アルバムで女性コーラスが目立つほか、イギリスへ渡っての録音らしく、イエスのスティーヴ・ハウやリック・ウェイクマンが参加している。ヴェルヴェッツ時代を含めて45年以上も世界中に影響を与え続けてきたルー・リード。他のアルバムばかりが目立っているが、このアルバムも聴いてやってほしいものだと俺は思う。それにしても『ロックの幻想』って邦題はなんとかならなかったのかな。
【オススメ度】★★☆☆☆
上でも書いたが、このアルバムの10曲中8曲はヴェルヴェット・アンダーグラウンド時代の曲で、ヴェルヴェッツ解散後に出たアルバムなどの収録されていたこともあって、きっとこのアルバムが出た当時は新曲に近いものだったと思われる。彼のソロ・キャリアは2作目の『トランスフォーマー』からが本領発揮であって、聴くべきであろうアルバムも他にたくさんあるのでこのアルバムは後回しでもいいかと思う。ただ、ひとつ言っておきたいのは、このアルバムは評判悪いけど、決してそんなことはないということ。俺は好きだしこれ(って、実はルーのソロはあまり聴いていないからだけど)。(h)
【kakudayaの感想】
ルー・リードのソロ作品はベスト盤を聴いたことのある程度の俺だけど、①を初めて聴いてそのシンプルさ、オーソドックスな構成に驚いた。ヴェルヴェッツの最初の2枚しかまともに聴いたことない俺が勝手なイメージを構築してるだけなんだろうな。これ以降も2011年のメタリカとコラボした『ルル』に至るまで、ずっと創作活動を作り続けていたのに失礼な話ですよね、ホント。ゴメンなさい。
Lou Reed / I Can't Stand It
2013年11月3日日曜日
ジェーンズ・アディクション / ナッシングス・ショッキング
Jane's Addiction / Nothings Shocking(1988年リリース)
①Up the Beach ②Ocean Size ③Had a Dad ④Ted, Just Admit It... ⑤Standing in the Shower... Thinking ⑥Summertime Rolls ⑦Mountain Song ⑧Idiots Rule ⑨Jane Says ⑩Thank You Boys ⑪Pigs in Zen
【アルバムについて】
ジェーンズ・アディクションについては、中心人物のペリー・ファレルがアメリカ各地をツアーするロックフェスティバル『ロラパルーザ』を立ち上げたことや、ギタリストのデイヴ・ナヴァロがレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(以下RHCP)に参加するなど、バンドよりもメンバー個人の活動の方が有名だったりするのではないだろうか。
ジェーンズ・アディクションは1987年にライヴ録音のセルフタイトルアルバムをリリースしており、この『ナッシングス・ショッキング』は正確にはこのバンドの1stアルバムではなく、初のスタジオアルバムということになる。RHCPやフィッシュボーン、リヴィング・カラー、フェイス・ノー・モア辺りを連想するごった煮なハードロックサウンドではあるが、デイヴのギターとよくわからんふわふわしたグルーヴ、そしてペリーの唯一無二のヴォーカルがバンドの個性を特徴づけている。ちなみにRHCPのフリーやフィッシュボーンのアンジェロなどが⑧でホーンセクションを担当しており、当時のシーンのバンド同士の繋がりを感じる。
【オススメ度】★★★★☆
2枚目のスタジオアルバム『リテュアル・デ・ロ・ハビテュアル』を1990年にリリース後、バンドは解散してしまう。その後、ペリーのポルノ・フォー・パイロス結成やデイヴのRHCP参加などの紆余曲折あり、メンバーの出入りがありながらも再結成と活動停止を繰り返す。再結成後も精力的に作品をリリースしているが、ポルノ・フォー・パイロスなども含め、初期のアルバムを上回る評価は得られていない。従って最初に聴くアルバムとしてはこの『ナッシング~』か、より完成度の高い『リテュアル~』のどちらかが良いと思う。(k)
【hiroumiの感想】
上でkakudaya氏が書かれているように、ジェーンズ・アディクションというとロラパルーザだったり、デイヴ・ナヴァロがレッチリにとか、そういうイメージの方が強くて、肝心の音楽についてはあまり知らない。このデビュー・アルバムは当時の友達が持っていたから聴かせてもらったが、1988年のまだ二十歳の俺には後のオルタナティヴ系のバンドは受け入れることができなかったというのが実際のところだった。アメリカにおいては、まだメインストリームな音楽の方が聴かれていた時期だったと思うし、俺もそんな音楽を追いかけていた1人だった。分かり易く言うと、その頃出たレッチリの『母乳(Mother's Milk)』をあまり受け入れることができなかったんだから、このアルバムならなおさらでしょ?分かる人だけに言うけど。
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