2014年4月1日火曜日

1AB終了します

ファースト・アルバムだけを取り上げるというコンセプトで始めたこのブログ。
2012年5月にスタートして毎週日曜日に更新というパターンを続けてきましたが、
ローリング・ストーンズでちょうど100枚、これをいい機会としてブログを終了します。

突然なんだよって思われる方もいるかもしれませんが、実はすでに去年の12月には決定していました。
ええ、もうネタが無いんですよ、お互いw

自分とkakudaya氏では取り上げるアルバムにも偏りがあったから、
他にも誰か誘おうかなんて考えたりはしましたが、結局はそれもせず閉じることにしました。
今まで読んでくれた方がいたのかどうか分かりませんが、
2年近くお付き合いいただきありがとうございました。

そして2年前にこんなコンセプトで始めるけどと誘って、
強力してくれたkakudaya氏には感謝しております、ありがとう。



さて、このブログをどうするか、今はそれを考えています。
というのは、firstalbum.net というドメインが4月中に切れるので、
もう更新しないブログのためにドメインをキープするのもめんどくさいので、
どこかに移すと思います、それは改めてお知らせします。

2014年3月30日日曜日

ザ・ローリング・ストーンズ / イングランズ・ニューエスト・ヒット・メーカーズ


The Rolling Stones / England`s Newest Hit Makers

The Rolling Stones / England`S Newest Hit Makers(1964年リリース)
①Not Fade Away ②Route 66 ③ I Just Want to Make Love to You ④Honest I Do ⑤Now I've Got a Witness ⑥Little by Little ⑦I'm a King Bee ⑧Carol ⑨Tell Me ⑩Can I Get a Witness ⑪You Can Make It If You Try ⑫Walking The Dog

【アルバムについて】
ローリング・ストーンズほど今さら説明不要なバンドもないだろうけど、それでも彼らのファースト・アルバムからちゃんと押さえているという人はグッと減るんじゃないだろうか?正直に告白すると、30年近くストーンズを聴いているが、ファースト・アルバムを聴いたのはつい最近だ。どうも俺は彼らの60年代の「音」が好きではなく、1969年の『ベガーズ・バンケット』からが特に好きなんだけど、今回このファースト・アルバムを聴いて思ったのはまんま『ベガーズ・バンケット』だった。このアルバムは⑨だけが彼らのオリジナル曲で、残りは彼らが影響を受けたブルースやR&Bのカバーで占められている。以前抱いていた印象は「カバーばかりかよ」というもので、それがもとで聴くことをしなかったなんてバカだったなと反省している。そう、俺が好きな『ベガーズ・バンケット』はこのファースト・アルバムで敬意をこめてカバーしている楽曲たちをちゃんと昇華したことで生まれたものであり、そして以降そのブルースをベースに、デビューから50年も経った今でも活動しているわけだ。たった2枚のアルバムを挙げただけで語れるバンドじゃないけど、俺にとっては目から鱗の衝撃だった。ところで、この"England`S Newest Hit Makers"というタイトルはアメリカ盤でのタイトルで、イギリスではバンド名がそのままタイトルだったんだけど、CD化にあたりアメリカ盤が基準になってしまっている。イギリスのバンドなのになぜそうなっちゃうのか・・・。

【オススメ度】★★★☆☆
上でも書いたように、俺はあまり彼らの60年代のアルバムはほとんど聴いていない、せいぜい『サタニック・マジェスティーズ』と『アフターマス』そして『ベガーズ・バンケット』ぐらいで、そこから以降のキャリアは追っているけど、正直ストーンズはどこから聴いてもよい。ベスト盤からでもいいし、気に入ったら他のアルバムも聴いていけばいいんじゃないかと。だからいきなりここから入っても良いだろうし、多少の時代背景も含まれているものの、彼らの根底にあるもものは50年間ずっと変わらずなんだから。まさにローリング・ストーンズ、転がりつづける石だってこと。(h)

【kakudayaの感想】
これほどまでに長いキャリアを築き、なおかつ新作を創り、ツアーを続けているミュージシャンもそう多くはないだろう。多作ではないものの、そのディスコグラフィはキャリアに比例して必然的に長くなってしまう。その結果、俺のようにほんの一部の作品しか触れることができていない人も多いのではないか。などと言い訳してみたものの、結局俺はこれまでローリング・ストーンズというバンドにそれほど入れ込むことはなかった。今回初めて耳にしたこの1stアルバムのサウンドや雰囲気は嫌いなものではなく、特にエアロスミスが1stアルバム『野獣生誕』で真似してカバーした⑫なんかは特に好きだ。しかし、俺の場合はこの1stアルバムに手を出すよりも、一般的な評価の高い、かつ俺が未聴な作品を聴く方が先ですね。


Walking The Dog

2014年3月23日日曜日

オアシス / オアシス


オアシス / オアシス

Oasis / Definitely Maybe(1994年リリース)
①Rock 'n' Roll Star ②Shakermaker ③Live Forever ④Up in the Sky ⑤Columbia ⑥Supersonic ⑦Bring It on Down ⑧Cigarettes & Alcohol ⑨Digsy's Dinner ⑩Slide Away ⑪Married with Children

【アルバムについて】
1994年、それは米国ではグランジ/オルタナティヴが没落し、英国ではブリットポップが勃興した年だった。当時、泥臭い米国産の音楽からシャレオツな英国産の音楽への移り変わりを音楽雑誌を通して体感した自分は、ブリットポップ自体には興味が持てなかった。けれどもその中で、あまり個人的には関わりたくないようなチンピラが演奏している音楽に惹かれた。それがオアシスの1stアルバム『オアシス』(原題:"Difinitely Maybe")に収録されている楽曲の数々であった。ネガティヴな要素満載なグランジと比べて、オアシスの奏でる音楽は圧倒的にポジティヴで、恥ずかしげもなくキャッチーで、皆でシングアロングして、なんだか眩しくすら見えた。そんな作品。

【オススメ度】★★★★★
一般的にはこの1stアルバムよりも1995年にリリースされた2ndアルバム『モーニング・グローリー』(原題:〈What's the Story〉Morning Glory?)の方が評価が高いが、個人的にはこの1stアルバムの方が好きだ。ここの文章を読んでいるような人でオアシスの存在を知らない人は殆ど居ないと思うし、CMなどで一度は耳にしていると思うけど、改めて下に貼ったYoutubeを見て興味を持った方は、この1stアルバムか2ndアルバムから聴いてみてね。

ところで日本盤には'Cloudburst'と'Sad Song'がボーナストラックとして追加されているが、③と④および④と⑤の間に挿入されており、どういう意図でそうなったか疑問だ。曲ひとつひとつが良くできているからアルバムとしての流れはあまり気にならなかったりするのだけれども。(k)

【hiroumiの感想】
オアシスは今でも再結成の噂というか、それを望む声が多くてさぞ人気なんだろうなと思うのだが、俺はまともにアルバムを聴いたことがない、せいぜい"Whatever"の入ったミニアルバム(シングル?)を買ったことがあるぐらい。俺がUKロックのバンドを聴かないのは、過去にも何度か述べているけど、もし当時オアシスをリアルタイムで聴いていたら、他のバンドも聴いていたんじゃないかなと思うことがある。有名であろう曲のタイトルを見ても「ん?デヴィッド・ボウイ?」と今でも思ってしまうんだなw



2014年3月16日日曜日

ヴァン・ヘイレン / 炎の導火線


Van Halen

Van Halen(1978年リリース)
①Runnin' with the Devil ②Eruption ③You Really Got Me ④Ain't Talkin' 'bout Love ⑤I'm the One ⑥Jamie's Cryin' ⑦Atomic Punk ⑧Feel Your Love Tonight ⑨Little Dreamer ⑩Ice Cream Man ⑪On Fire

【アルバムについて】
最初に聴いたヴァン・ヘイレンは5枚目の"Diver Down"というアルバムだった。当時"Oh! Pretty Woman"(余談だけど、映画の「プリティ・ウーマン」がヒットしてから主題歌となったロイ・オービソンのこの曲まで「プリティ・ウーマン」というタイトルで呼ばれるのがどうにも我慢ならない。「オー!プリティ・ウーマン」だからな)を日曜朝のAMラジオの洋楽ベストテンで何度も聴いて、後にレコードを借りて聴いたのが最初だった。ほどなくして大ヒットとなった"1984"を聴き、遡ってこのアルバムに辿り着いた。それまでに聴いていた2枚のアルバムはどちらかというとポップな印象を持っていたが、このアルバムを聴いてエドワード・ヴァン・ヘイレンがギターに革命的なことをしたと言われていたのが「なんとなく」分かった。そう、俺はギターやら楽器をやらないので、なんとなくでしか分からないのだ。デイヴ・リー・ロスの個性的なヴォーカルもすでに注目に値するが、やはりこのアルバムはエディのギターが主役なんだろうなと思った。ギターが片方のチャンネルだけにしか入っていないのもワザとそうしたのかなとか思ってしまう。キンクスのカバーである③ばかりが目立っているが、俺はやっぱり⑦を初めて聴いた時の驚きの方が大きいのだ。

【オススメ度】★★★★★
ヴァン・ヘイレンはヴォーカリストがデイヴ・リー・ロスからサミー・ヘイガーに変わり、さらに元エクストリームのゲイリー・シャローンになり、今は再びデイヴに戻っているが、デイヴ時代とサミー時代では音楽的にも若干違いがあるし、聴く人によって好みのアルバムは変わるかもしれないが、このアルバムは必聴だろう。これを聴かずしてヴァン・ヘイレンはないだろうね。(h)

【kakudayaの感想】
俺が初めて聴いたヴァン・ヘイレンはサミー・ヘイガーがヴォーカルでした。ジャケットでひと悶着あった『バランス』がリリースされる何年か前。エドワード・ヴァン・ヘイレンは流行に合わせて風貌を変えたり、ベース首にして自分の息子をメンバーに加えるとか、音楽以外の面も含めて好みじゃない。だから、今回初めてYoutubeで聴いた初期の曲も興味が持てませんでした。スゴいギタリストなんだろうけど、好きでも嫌いでもないんです。ゴメンなさい。


Atomic Punk

2014年3月9日日曜日

スリーター・キニー / スリーター・キニー


スリーター・キニー / スリーター・キニー

Sleater-Kinney / Sleater-Kinney(1995年リリース)
①Don't Think You Wanna ②The Day I Went Away ③A Real Man ④Her Again ⑤How to Play Dead ⑥Be Yr Mama ⑦Sold Out ⑧Slow Song ⑨Lora's Song ⑩The Last Song

【アルバムについて】
2006年の初夏、スリーター・キニーの活動停止が発表された。会社でこの突然のニュースを知った俺は酷く動揺し、仕事が手につかなかった。こんなことはホントに久しぶりだった。彼女達の音楽を初めて聴いたときは、その出会いに感謝した。完璧だった。彼女達は俺のジョーイ・ラモーンだった。サーストン・ムーアだった。それ以上だった。

スリーター・キニーはオリンピア出身のベースレスの女性3人組で、所謂Riot Grrrlの系譜にあるものではビキニ・キル以降、最も有名になったバンドのひとつではないだろうか。このセルフタイトルの1stアルバムでは、ドラマーがまだジャネット・ワイスになる前ということもあり、ギターも含めて演奏がヘタクソだし、録音状態も良くない。だが、この初期衝動的な勢いと歌詞の生々しさはパンクそのものだ。

【オススメ度】★★★★☆
Riot Grrrlみたいなシーンに理解がある人には無条件でオススメするが、一般的なウケは悪いだろう。初めて聴く方には、ブレイクした3rdアルバム『ディグ・ミー・アウト』や、デイヴ・フリッドマンがプロデュースした最後のアルバム『ザ・ウッズ』あたりが無難だが、この『ザ・ウッズ』をはじめとする後期のアルバムになるとガレージやパンクというよりもロックバンド然とした楽曲とサウンドに昇華されており、好みの分かれるところ。個人的には荒々しさが残る2ndアルバム『コール・ザ・ドクター』と、俺の琴線に触れまくる楽曲揃いの『ザ・ホット・ロック』を推したい。(k)

【hiroumiの感想】
90年代のある日、ロッキング・オンを見ていたら輸入盤の紹介ページにひっそりと載っていたジャケット。「お、キンクスの"The Kinks Kontroversy"か!?」と思ったらジャケットに写っているのは女性メンバーで、なかなかやるなと思った。何年かあとにそのアルバム"Dig Me Out"を聴いてそれなりに気に入っていたが、他のアルバムを聴く機会はその後無かった。調べてみるとその"Dig Me Out"は3枚目のアルバムで、初期からすでにスタイルは確立されているというか、徹底していたんだなと思った。だけどメッセージなども含めて、その徹底ぶりが今の時代にはそぐわないのかなと思ったりもする、世の中が軟弱なんだよね。



2014年3月2日日曜日

プリンス / フォー・ユー


Prince / For You

Prince / For You (1978年リリース)
①For You ②In Love ③Soft And Wet ④Crazy You ⑤Just As Long As We're Together ⑥Baby ⑦My Love Is Forever ⑧So Blue ⑨I'm Yours

【アルバムについて】
今や説明が不要な人かもしれないプリンスは20歳の時にこのアルバムでデビューした。当時は異例の、全曲一人で録音したセルフ・プロデュース作で、契約したワーナーもよくぞそんな作品を受け入れたなと思う。1978年当時ではブラック・ミュージックは「ブラック・コンテンポラリー」などと呼ばれ、AORちっくな雰囲気を持った小気味良い黒人音楽を指していたのかな、この作品でもそのような雰囲気を感じる②や③がある一方で、ギターを弾きまくる⑨、後の渋谷系のミュージシャンも影響受けているだろうと思わせる⑦などクオリティが高い。ちなみに日本で最初に出たプリンスのアルバムは次作の『愛のペガサス』で、このアルバムはもうちょっと後になってリリースされたと記憶している。

【オススメ度】★★★☆☆
アルバムがたくさんあるのでどれを聴いてもいいと思うが、やはり80年代の『パープル・レイン』から『サイン・オブ・ザ・タイムス』までのアルバムを最初に聴くべきかと思う。それで聴けるのであれば遡ってこのアルバムまでくるのが良いかもしれない。いつもならサンプルとして収録曲を下に貼り付けておくのだが、なんとこのアルバムの曲がYouTubeには全く無い状態だ。ネット上の「海賊行為」を許せないプリンス本人による制限がかかっているのではないだろうか。(h)

【kakudayaの感想】
'The Most Beautiful Girl in the World'が、俺が初めてまともに聴いたプリンスの曲だった。それ以前の接点は'Batdance'の空耳「農協牛乳」ってのがあった程度。それで今回初めて聴いたこの1stアルバム、既にプリンスのファルセットによる歌い方とコーラスが確立されてて、特に⑤のグルーヴィな感じが気に入った。この才能溢れるマルチプレイヤーぶりといい、CD販売のビジネスを見限る先見性といい、ホントに天才なんだろう。

2014年2月23日日曜日

ウォーペイント / ザ・フール


ウォーペイント / ザ・フール

Warpaint / The Fool(2010年リリース)
①Set Your Arms Down ②Warpaint ③Undertow ④Bees ⑤Shadows ⑥Composure ⑦Baby ⑧Majesty ⑨Lissie's Heart Murmur

【アルバムについて】
LA出身のウォーペイントを紹介するのに、ドリームポップと言ってしまえばそうなのだろう。2008年のデビューEP"Exquisite Corpse"はジョン・フルシャンテの手によりミックスされたり、メンバーだったジョシュ・クリングホッファーがレッド・ホット・チリ・ペッパーズに移籍するなど当時も音楽以外の話題性に事欠かなかったが、現在でもテレサ(ヴォーカル&ギター)がジェイムス・ブレイクと付き合っていたり、ジェニー・リー(ベース)がクリス・カニンガムと結婚していたりと話題豊富である。さて、2010年にリリースされたこの1stアルバム『ザ・フール』では商業的に大きな成功を収めることはできなかったように思う。セルフタイトルの2ndアルバム『ウォーペイント』は、2014年1月のリリースに合わせて精力的に世界各地をツアーをしており、ツアーの一環として先日のホステス・クラブ・ウィークエンダーにも登場し、2011年のフジロックに続く2度目の来日を果たしている。

【オススメ度】★★★★★
EP"Exquisite Corpse"が物凄い中身の濃いものであったのに対し、正直この1stアルバムはちょっとまとまり過ぎてつまらなく感じる部分もある。けれども個人的には本当に大好きなバンドで、特に⑥なんて何回聴いたかわからない。因みに日本盤にはボーナストラックとしてデヴィッド・ボウイのカバー'Ashes to Ashes'が収録されている。(k)

【hiroumiの感想】
前に「ドリームポップ」と形容されたあるバンドを聴いたことがあるのだが、まったく俺向きではなかった。だからいまここでこのウォーペイントをドリームポップと書かれているのを見て身構えてしまったが、さすがkakudaya氏が好むバンドだけあって以前感じたようなガッカリ感は無い。今まで聴いたことがなかったので音のイメージが全くなかったが、②と③(下のPV)を聴いてドリームポップという言葉では括れないスケール感があると思った。そして5年以上のキャリアがあるのに出たばかりのアルバムがまだ2枚目とか、先入観をことごとく覆してくれるね。