2012年9月23日日曜日
ベン・フォールズ・ファイヴ / ベン・フォールズ・ファイヴ
Ben Folds Five (1995年リリース)
①Jackson Cannery ②Philosophy ③Julianne ④Where's Summer B? ⑤Alice Childress ⑥Underground ⑦Sports & Wine ⑧Uncle Walter ⑨Best Imitation Of Myself ⑩Video ⑪The Last Polka ⑫Boxing
1998年の東京で行われたフジ・ロック・フェスティヴァル。俺はイギー・ポップとソニック・ユースを目当てに1日目だけ出かけた。後日、テレビでこの時の模様を放送したのでその時に初めて2日目の様子も見た。出演者を見ながら誰だかよく分からないなぁとビデオを早送りしながら所々見ていて何となく普通に再生して見たのがベン・フォールズ・ファイヴ(以下BF5)との最初の接点で、これを早送りしていたら俺はこのバンドを今も聴いていなかったかもしれない。
その映像を流しながら最初は単純に曲がいいなと思って見ていた。ところが2曲目(この時の放送はダイジェストで各アーチスト2曲ずつが基本だった)を日本語で歌いだしたから驚いてしまい、しかも「金を返せ、金を返せ、ゆびっち!」と言ってるではないか。そして挙句の果てにはピアノ兼ヴォーカルの男は座っていた椅子を最後自分のピアノに叩きつけて終了というハチャメチャさ。俺はこの1曲のパフォーマンスであっという間に彼らのファンになってしまった。もうこの時点でギターレスってところがとにかく気に入った。翌日にはCDを買いに行ってたぐらいだ。
このアルバムが出た1995年頃の音楽雑誌の主役はアメリカではグランジ後のバンドで、イギリスでもギター・ロックばかりで個人的にはウンザリしていた。当時はまだBF5のことを知らなかったが、本国アメリカよりも日本のほうがウケがよかったというのはなんとなく分かる気がする。ただ日本では当時キムタク主演のドラマに②が使われたというのが大きかったのかもしれないが・・・。BF5の魅力はメロディはもちろんのこと、ダレン・ジェシのドタバタしたドラムにロバート・スレッジのビリビリ鳴るベース、そしてベン・フォールズの時に美しく時に荒いピアノ、3人のうち1人でも欠けたらそれはBF5の音ではなくなるということを特にこの1stアルバムは証明してくれていると思う。「泣き虫野郎のパンクロック」と自らの音楽性を表していたそうだが、パンキッシュな中にも女々しさのある歌詞などがまさにそうだと思える。クラスで目立たず時々苛められてた奴が陰で「この野郎」と文句を言ってたような、そんなイメージ。
俺がBF5に夢中になった1998年、彼らのことを知りたくてWebを調べまくったが、日本語で書かれたファンサイトが1つも無かった。それはダメだろうと思った俺は、だったら自分で作ってしまおうと、まだBF5歴数ヶ月にも関わらず彼らのファンサイトを開設したという過去がある。その中でこのアルバムについては「捨て曲が一切無い」と書いていたのだけど、今聴きなおしてみても同じ感想を抱いている。そして、このバンドを知ることができたことが俺の90年代の中でもかなり大きな比重を占めていたことを再確認した。
そんな彼らが再結成して13年ぶりのアルバムを出したことは非常に喜ばしい。そしてまたこのアルバムの曲や「金返せ」を日本で聴ける日が来ることを待ち遠しく思っている。(h)
【イチオシの曲】Julianne
「僕が出会った女はアクセル・ローズにそっくりだったんだ」で始まるパンクな曲。結局この女をモノに出来なかったことを歌ってるのか、モノにしなくて良かったと歌っているのかよく理解できていないが、なんとなく最初から自分には無理だったんだよと歌っているような気がする。このアルバムよりも"Naked Baby Photos"に収録されたライヴ・バージョンの方が疾走感があって良い。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
ベン・フォールズ・ファイヴの1stは、小山田圭吾が大絶賛していたのもあって、95年ごろの「渋谷系」界隈で人気があったのでした。「ファイヴ」なのに5人いなくてピチカート・ファイヴみたいだ、とも言われてもいましたw
返信削除その流れで自分も聴いて、ずいぶんハマリました。たしかに「グランジ」直後のギターロック一辺倒のあの時代にあって、非常に清冽でした。今でもこのアルバム、大好きです。