2012年11月18日日曜日

リリー・アレン / オーライ・スティル


Lily Allen / Alright, Still(2006年リリース)
①Smile ②Knock 'Em Out ③LDN ④Everything's Just Wonderful ⑤Not Big ⑥Friday Night ⑦Shame For You ⑧Littlest Things ⑨Take What You Take ⑩Friend Of Mine ⑪Alfie

俺は時々「おねーちゃんヴォーカル」のポップ・ミュージックが聴きたくなる。決してロックではなく。前にパティ・スミスのところで書いたけど、俺は女性ミュージシャンにロックなんてものは求めていない。デビューこそ女性ロッカー然として登場しても、時が経つにつれて結局は「女」である自分を売りにしているなんて人を見ると、最初からポップ・ミュージックでもやっとけよとか思ってしまう。それに「ロックだぜ」みたいなアティチュードの女性ミュージシャンは、ごめん、本当に個人的な思いだけで書かせてもらうけど、見ていて「痛い」と思ってしまう。芸能界でいうなら土屋×××みたいのとか。だから俺は最初からポップである人を好んで聴いている。

さて、リリー・アレンである。どこでどう知ったのか忘れてしまったが、俺が彼女を知ったのは2枚目のアルバム『イッツ・ノット・ミー、イッツ・ユー』に収録されている「ファック・ユー」という曲がきっかけだ。可愛らしいメロディと声で「ふぁっきゅー、ふぁっきゅべりべりまぁぁぁぁぁっち♪」と歌っているのが妙に耳に残って、その声とタイトルのギャップにこいつはただ者じゃないなと感じたのだ。案の定調べてみるとかなりの毒舌で話題を振りまいていたし、かのケイティ・ペリーに「私はリリー・アレンの痩せたバージョン」と言われてブチ切れてたり、20代前半のクソ生意気なところが面白い。その一方で、彼女の父親はザ・クラッシュの故ジョー・ストラマーと友人で、子供の頃には一緒にグラストンベリーに連れて行ってもらったりしながら、音楽的な影響を受けてきたという。母親だか叔母がスリッツのメンバーだったなんて話もデビュー時にはあったけど、どうやらこれは違うらしい。

そんなわけで最初は2枚目のアルバムを聴いていたんだけど、人から「1枚目のほうが良い」と言われて手に入れたのがこの『オーライ・スティル』。リリースされてからすでに3年が経っていたから完全なる後追いなんだけど、確かにこっちのほうが曲が粒ぞろいだった。やはり白眉なのは①で、タイトルの「スマイル」という単語が持つ優しさや温かいイメージはそこには無い。何せ歌っている内容は付き合っていた男にフラれて落ち込むも、その元彼が他の女と別れて泣いているのを見ると「笑っちまう」というものなのだから相当意地が悪い。他にも⑤や⑦は付き合った男をモチーフとしているような内容だったり、②はナンパしてきた奴を追い払う方法を歌っていたりと、まあ20代前半の女の子が言いそうなことを、奇麗事にしないでストレートに言い放っているというところが良い。曲はレゲエやスカのリズムを取り入れたものや、ラウンジ系なものなどが多くて聴きやすいところもまたいい。それにしてもイギリスのポップ・シンガーって必ずレゲエ調の曲があるよね、特に女子!なぜだ!?

で、2枚目のアルバムを出した後、彼女は音楽から引退するとか言い出して、流産や結婚、出産といったニュースで時々名前を見るぐらいになってしまったんだよ。ところが今年、結婚後の名前であるリリー・ローズ・クーパーという名義で音楽活動を再開するなんてニュースが出てきて、来年には3枚目となるアルバムがリリースされる予定らしい。1児の母親となった彼女が以前のように尖がった内容の歌を歌うとは考えられないんだよなぁ。でも例え作風が変わってもそれほどガッカリしないだろうってところがポップ・ミュージックであるがゆえなんだろうな。ご都合主義。(h)

【イチオシの曲】Everything's Just Wonderful
もちろん"Smile"や"他の曲も良いんだけど、アルバムをいちばん最初に聴いて印象に残ったのがこの曲だった。サビの部分はどこかで聴いたようなメロディで、もしかして引用かなとも思うんだけど、いまだに思い出せない。だけどそんなことはどうでもいい、良い曲だから。


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