2013年11月24日日曜日

アンダーワールド / アンダーニース・ザ・レイダー


Underworld / Underneath the Radar

Underworld / Underneath the Radar(1987年リリース)
①Glory! Glory! ②Call Me No.1 ③Rubber Ball (Space Kitchen) ④Show Some Emotion ⑤Underneath the Radar ⑥Miracle Party ⑦I Need a Doctor ⑧Bright White Flame ⑨Pray ⑩The God Song

【アルバムについて】
80年代前半に前身となるバンドを経て、1986年に結成されたアンダーワールドは、トンプソン・ツインズのトム・ベイリーによるプロデュースでアルバム・デビュー。1988年にセカンド・アルバムを出すがさほど話題になることもなく、3枚目のアルバム・レコーディング中にレーベルから契約を切られる。そしてのちに今の形態となるテクノ、エレクトロニカを打ち出した音へと路線変更をし、映画「トレインスポッティング」で有名になった「ボーン・スリッピー」の世界的ヒットによって誰もが知るところとなる。この1stアルバムは80年代特有のエレポップといった趣で、リアルタイムでこの手の音を聴いた俺にも、どこに売れる要素があるのかまったく分からない。そして今のアンダーワールドからはかなりかけ離れたイメージのアルバムでもある。ただ、現時点での最新作"Barking"を作成するにあたって、メンバーはこのアルバムを久々に聴きなおしてインスピレーションを得たようなので、彼らにとっては根柢は変わっていないのかもしれない。

【オススメ度】★☆☆☆☆
とんだB級アルバムw アンダーワールドのアルバムなら全部持っておきたいという人向けであって、2,3枚聴いたところで興味本位で手を出すと失敗すること間違いなし。でも80年代のヒューマン・リーグやソフト・セルなんかのエレポップ的な音が聴きたいのであれば聴いてみてもいいのでは!?それと、上の文章で「リアルタイムでこの手の音を・・・」と書いたけど、当時また彼らのことは全く知らなかったのでこのアルバムを聴いたわけではありません。勘違いなさらなうように。(h)

【kakudayaの感想】
教科書的な話になっちゃうけど、ケミカル・ブラザーズの『さらばダスト惑星』('95年)辺りから始まり、プロディジーの『ザ・ファット・オブ・ザ・ランド』('97年)でスゴくブレイクして、テクノといわれるような音楽が日本のロックファンにも受け入れられるようになったんだよね。デジロック、デジタルロックなんてどうしようもない言葉も日本で生まれた。その流れの中でも映画「トレインスポッティング」('96年)で使われた「ボーン・スリッピー」(Born Slippy .NUXX)はまた格別だったけど、個人的にはルックス含め、プロディジーが大好きだったな。でもプロディジーにしてもアンダーワールドにしても、当時は過去に遡ってまで聴く気ほどハマらなかった。今回YouTubeで聴いてみて、嫌いじゃないけどそれでよかったと思ってる。



2013年11月17日日曜日

ウィーザー / ウィーザー


ウィーザー / ウィーザー

Weezer / Weezer(1994年リリース)
①My Name Is Jonas ②No One Else ③The World Has Turned and Left Me Here ④Buddy Holly ⑤Undone – The Sweater Song ⑥Surf Wax America ⑦Say It Ain't So ⑧In the Garage ⑨Holiday ⑩Only in Dreams

【アルバムについて】
日本人の女性と結婚し、2013年にはALLiSTERのスコット・マーフィーと全歌詞日本語で歌われるアルバム『スコットとリバース』を発売するなど国内でもブレイクしそうな気配があったリヴァース・クオモ。結局はそのアルバムのプロモーションのみでそれ以降メディアへの露出もすっかり減り、日本でのマーティ・フリードマンの認知度を超えるまでに至っていないなぁという感じ。そんな親日家リヴァースが中心メンバーを務めるパワーポップなバンドがウィーザーだ。通称「ブルーアルバム」と呼ばれるこのセルフタイトルのデビュー作は、ザ・カーズのリック・オケイセックをプロデューサーに迎え、シングルカットされた④と⑤のPVはスパイク・ジョーンズが手掛けるなど(なぜかWindows95のCD-ROMには④のPVが収録されていたり)、力を入れただけあっていきなり成功を収めることとなる。続く2ndアルバム『ピンカートン』は96年発売当時、日本以外の地域では良い評価を得ることができなかった。その後もバンドは休止やメンバーの脱退など紆余曲折ありながらも活動を続け、2009年には7thアルバム『ラディテゥード』を発売しているが、ファンの間では1stアルバムと2ndアルバムの評価が高いのではないだろうか。

【オススメ度】★★★★★
Weezerを聴くならこの1stから!

ところで日本では主にパワーポップと形容される彼らだが、いつの間にかエモと呼ばれるジャンルに組み込まれていたりもする。俺は未だにエモってジャンルを全く把握できていないから良くわからない。(k)

【hiroumiの感想】
90年以降のシーンをしっかり追っていないから漠然としたイメージなんだけど、ある時期から耳にするバンドの音って静かなアコースティックな導入からいきなりジャーンと騒がしくなる展開なのが多いなと思うことがあって、後追いでこのアルバムを聴いて「元凶はこいつらか?」って思ったのですよ。①なんかまさにその典型じゃないか。実際はそういう流れができていたのかは分からないけど、影響力は間違いなくあるんだろうね、このアルバムは。ありきたりだけど、④のメロディが好きだな俺は。



2013年11月10日日曜日

ルー・リード / ロックの幻想


Lou Reed

Lou Reed(1972年リリース)
①I Can't Stand It ②Going Down ③Walk And Talk It ④Lisa Says ⑤Berlin ⑥I Love You ⑦Wild Child ⑧Love Makes You Feel ⑨Ride Into The Sun ⑩Ocean

【アルバムについて】
2013年10月27日、ルー・リードはついにあの世に行ってしまった。1970年にヴェルヴェット・アンダーグラウンドを脱退したルーは印刷工をしながら生活していたそうだが、すぐにRCAレコード契約してこのアルバムの制作に取り掛かった。大半の曲はヴェルヴェッツ時代の曲で、同グループへの落とし前をつけるのが彼にとっては最初にすべきことだったのだろう。シンプルなロック・アルバムで女性コーラスが目立つほか、イギリスへ渡っての録音らしく、イエスのスティーヴ・ハウやリック・ウェイクマンが参加している。ヴェルヴェッツ時代を含めて45年以上も世界中に影響を与え続けてきたルー・リード。他のアルバムばかりが目立っているが、このアルバムも聴いてやってほしいものだと俺は思う。それにしても『ロックの幻想』って邦題はなんとかならなかったのかな。

【オススメ度】★★☆☆☆
上でも書いたが、このアルバムの10曲中8曲はヴェルヴェット・アンダーグラウンド時代の曲で、ヴェルヴェッツ解散後に出たアルバムなどの収録されていたこともあって、きっとこのアルバムが出た当時は新曲に近いものだったと思われる。彼のソロ・キャリアは2作目の『トランスフォーマー』からが本領発揮であって、聴くべきであろうアルバムも他にたくさんあるのでこのアルバムは後回しでもいいかと思う。ただ、ひとつ言っておきたいのは、このアルバムは評判悪いけど、決してそんなことはないということ。俺は好きだしこれ(って、実はルーのソロはあまり聴いていないからだけど)。(h)

【kakudayaの感想】
ルー・リードのソロ作品はベスト盤を聴いたことのある程度の俺だけど、①を初めて聴いてそのシンプルさ、オーソドックスな構成に驚いた。ヴェルヴェッツの最初の2枚しかまともに聴いたことない俺が勝手なイメージを構築してるだけなんだろうな。これ以降も2011年のメタリカとコラボした『ルル』に至るまで、ずっと創作活動を作り続けていたのに失礼な話ですよね、ホント。ゴメンなさい。


Lou Reed / I Can't Stand It

2013年11月3日日曜日

ジェーンズ・アディクション / ナッシングス・ショッキング


ジェーンズ・アディクション / ナッシングス・ショッキング

Jane's Addiction / Nothings Shocking(1988年リリース)
①Up the Beach ②Ocean Size ③Had a Dad ④Ted, Just Admit It... ⑤Standing in the Shower... Thinking ⑥Summertime Rolls ⑦Mountain Song ⑧Idiots Rule ⑨Jane Says ⑩Thank You Boys ⑪Pigs in Zen

【アルバムについて】
ジェーンズ・アディクションについては、中心人物のペリー・ファレルがアメリカ各地をツアーするロックフェスティバル『ロラパルーザ』を立ち上げたことや、ギタリストのデイヴ・ナヴァロがレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(以下RHCP)に参加するなど、バンドよりもメンバー個人の活動の方が有名だったりするのではないだろうか。

ジェーンズ・アディクションは1987年にライヴ録音のセルフタイトルアルバムをリリースしており、この『ナッシングス・ショッキング』は正確にはこのバンドの1stアルバムではなく、初のスタジオアルバムということになる。RHCPやフィッシュボーン、リヴィング・カラー、フェイス・ノー・モア辺りを連想するごった煮なハードロックサウンドではあるが、デイヴのギターとよくわからんふわふわしたグルーヴ、そしてペリーの唯一無二のヴォーカルがバンドの個性を特徴づけている。ちなみにRHCPのフリーやフィッシュボーンのアンジェロなどが⑧でホーンセクションを担当しており、当時のシーンのバンド同士の繋がりを感じる。

【オススメ度】★★★★☆
2枚目のスタジオアルバム『リテュアル・デ・ロ・ハビテュアル』を1990年にリリース後、バンドは解散してしまう。その後、ペリーのポルノ・フォー・パイロス結成やデイヴのRHCP参加などの紆余曲折あり、メンバーの出入りがありながらも再結成と活動停止を繰り返す。再結成後も精力的に作品をリリースしているが、ポルノ・フォー・パイロスなども含め、初期のアルバムを上回る評価は得られていない。従って最初に聴くアルバムとしてはこの『ナッシング~』か、より完成度の高い『リテュアル~』のどちらかが良いと思う。(k)

【hiroumiの感想】
上でkakudaya氏が書かれているように、ジェーンズ・アディクションというとロラパルーザだったり、デイヴ・ナヴァロがレッチリにとか、そういうイメージの方が強くて、肝心の音楽についてはあまり知らない。このデビュー・アルバムは当時の友達が持っていたから聴かせてもらったが、1988年のまだ二十歳の俺には後のオルタナティヴ系のバンドは受け入れることができなかったというのが実際のところだった。アメリカにおいては、まだメインストリームな音楽の方が聴かれていた時期だったと思うし、俺もそんな音楽を追いかけていた1人だった。分かり易く言うと、その頃出たレッチリの『母乳(Mother's Milk)』をあまり受け入れることができなかったんだから、このアルバムならなおさらでしょ?分かる人だけに言うけど。