2014年1月26日日曜日

サヴェージズ / サイレンス・ユアセルフ


サヴェージズ / サイレンス・ユアセルフ

Savages / Silence Yourself(2013年リリース)
①Shut Up ②I Am Here ③City's Full ④Strife ⑤Waiting for a Sign ⑥Dead Nature ⑦She Will ⑧No Face ⑨Hit Me ⑩Husbands ⑪Marshal Dear

【アルバムについて】
サヴェージズはメンバーが全員女性のロンドン発ポストパンクバンド。2013年のフジロックと、それに付随する単独公演、そして2014年1月の単独公演と、国内でも人気を博しつつある。そのサウンドやルックスだけでなく、存在そのものがストイック。一切の無駄を省いたような統一感がコンセプチュアルで素晴らしい。だがジョイ・ディヴィジョンなんかが引き合いに出されてる辺りを含め、正直ハイプ臭が拭えない。そんな疑念を払拭するようこの作品1枚で終わらせずに頑張ってほしい。

【オススメ度】★★★☆☆
物凄く俺の好みの要素が揃ってるんだが、いかんせん楽曲のフックが俺の琴線に触れない。なんでなんだろう。凄く好みのバンドで好みの音なんだけど、我ながらすごく不思議。だから星3つで。俺の感性が残念で申し訳ない。(k)

【hiroumiの感想】
ジョイ・ディヴィジョンと比較されるそのサウンドとカリスマ性っていうが、ジョイ・ディヴジョン並のカリスマ性だなんてまだアルバム1枚じゃ判断できないよね。ちょっと他の曲も聴いてみたけど、どちらかというとスージー&ザ・バンシーズに近くないかな?音はパンクというよりニュー・ウェイブっぽいね。①なんて特に。



2014年1月19日日曜日

ザ・マザーズ・オブ・インヴェンション / フリーク・アウト!


The Mothers Of Invention / Freak Out!

The Mothers Of Invention / Freak Out!(1966年リリース)
①Hungry Freaks, Daddy ②I Ain't Got No Heart ③Who Are the Brain Police? ④Go Cry on Somebody Else's Shoulder ⑤Motherly Love ⑥How Could I Be Such a Fool? ⑦Wowie Zowie ⑧You Didn't Try to Call Me ⑨Any Way the Wind Blows ⑩I'm Not Satisfied ⑪You're Probably Wondering Why I'm Here ⑫Trouble Every Day ⑬Help, I'm a Rock ⑭The Return of the Son of Monster Magnet

【アルバムについて】
フランク・ザッパが最初に世に放った作品はアナログ2枚組で、1枚目はドゥーワップやR&Bをモチーフとしたサイケデリックなロックンロールで①がまさにその典型である。この1枚目だけであれば当時のアメリカのバンドの1つとして語られただけかもしれないが、超問題作の2枚目(⑫以降)が彼らマザーズ・オブ・インヴェンションの個性を引き立たせている。特に⑬と⑭の実験性は完全に聴く者を選ぶタイプの曲で、しかしながらザッパのその後の音楽活動の中では序の口に過ぎない。その後も『サージェント・ペパーズ』よりも早いコンセプト・アルバムの『アブソルート・フリー』や、その『サージェント・ペパーズ』のじゃけをパロった『俺たちは金のためにやっている』、映画のサントラ『アンクル・ミート』など、初期マザーズとしては7枚のアルバムをリリース。そのどれもが濃く、癖のあるものばかりだが、この2枚組アルバム(CDでは1枚)ですでにマザーズの音楽が完成されているというのはザッパ好きなら誰もが思うことではないだろうか?個人的にはマザーズのアルバムで最もとっつきにくいのがこのアルバムと『ルーベン&ザ・ジェッツ』、そう、俺はドゥーワップ系が苦手なんだ。

【オススメ度】★★☆☆☆
フランク・ザッパのアルバムとしてだったら『ホット・ラッツ』や『ワン・サイズ・フィッツ・オール』など、他におすすめしたいアルバムがたくさんあるし、これも人によってはいろいろ出てくる。何せ生前は60枚ぐらいのアルバムをリリースしているわけだから。で、マザーズ・オブ・インヴェンションだったらというと、俺だったら『バーント・ウィーニィ・サンドイッチ』とか、もっと癖のある『いたち野郎』を勧めたい(ちなみに後者を人に勧めて、今までに3人に嫌がられてるw)。この『フリーク・アウト』を最初に聴いちゃうと、ザッパのアルバムには良いものがたくさんあるにも関わらず、そこまでたどり着く人が少なくなっちゃうんじゃないかと思うぐらいとっつきにくいと思っている。マザーズ名義のアルバムを半分以上聴いて、それで余力があったらでいいと思うので、星は2つとさせていただく。ちなみに俺は2枚目の⑬がとても好き。(h)

【kakudayaの感想】
この『フリーク・アウト!』というアルバムのジャケットは、俺にとって馴染み深いものである。音楽誌等でしょっちゅう取り上げられ、目にするからだ。しかしジャケットが目に焼き付いただけで、実際にはその音を聴いたことがなかった。同じような状況の作品は他にも沢山ある。キャプテン・ビーフハートの『トラウト・マスク・レプリカ』などがその一例だ。で、だ。フランク・ザッパには申し訳ないが作品数が多すぎて尻込みしてしまい、気軽に聴いてみよう、などという気にはなれない。勿体ないのはわかってる。だが、もっと現役のバンドの音楽を聴くことに時間を割きたいというのが建前。単純に聴き込む(時間的、金銭的、そして精神的)余裕がないというのが本音。


Hungry Freaks Daddy


Help I'm a Rock

2014年1月12日日曜日

チャーチズ / ザ・ボーンズ・オブ・ワット・ユー・ビリーヴ


チャーチズ / ザ・ボーンズ・オブ・ワット・ユー・ビリーヴ

Chvrches / The Bones of What You Believe(2013年リリース)
①The Mother We Share ②We Sink ③Gun ④Tether ⑤Lies ⑥Under the Tide ⑦Recover ⑧Night Sky ⑨Science/Visions ⑩Lungs ⑪By the Throat ⑫You Caught the Light

【アルバムについて】
チャーチズはグラスゴー出身の3人組で、EPやシングル等のリリースを経て2013年に満を持して発表されたのがこの1stアルバム『ザ・ボーンズ・オブ・ワット・ユー・ビリーヴ』だ。フロントを務める紅一点ローレンに注目が集まりがちで、このアルバムがリリースされる前にサマーソニック2013での来日公演を果たすなど話題先行の感も否めない。しかし2014年2月に開催されるホステス・クラブ・ウィークエンダーへの参加、および東京大阪での単独公演も予定されていることからも分かるように、既に多くのファンを獲得できているようだ。

【オススメ度】★★★☆☆
メンバー3人のこれまでのキャリアの集大成として佳曲ぞろいだとは思うが、特に目を見張るような驚きはない。ただただポップでキュートだ。俺はグラスゴー出身というだけでときめいてしまうため、冷静な判断を下すために星をひとつ減らして3つとした。まずはYoutubeでローレンのパフォーマンスを見て、何か感じるものがあればこのアルバムを手に取ってみて欲しい。蛇足だが、出身地とメンバー構成からBIS(≠BiS)を思い出してしまうのは俺がオジサンだからか。(k)

【hiroumiの感想】
去年デビューしたバンドのアルバムがここで紹介されるとは思わなかった。もう数年前からエレクトロポップを主体としたバンドが出てきているけど、多くはこのバンドみたいに2人とか3人という少ない編成が多いような気がする。これって80年代にもそういうユニット、例えばティアーズ・フォー・フィアーズとかペット・ショップ・ボーイズなんかもそうだけど、当時と今の違いって今はこの少ない編成でも楽曲をしっかり再現できるテクノロジーがあることだろうね。80年代はライヴとなると結局はサポートが入らないと成り立たなかった。だから今の方が出てくるチャンスはあると思う。でもその分すぐに忘れ去られがちでもあるからどちらにしても厳しいものだろうね。で、このバンド、下のYouTube以外にも聴いてみたけど曲は悪くないから、どれだけ持続していくかが楽しみです。



2014年1月5日日曜日

マドンナ / バーニング・アップ


Madonna

Madonna(1983年リリース)
①Lucky Star ②Borderline ③Burning Up ④I Know It ⑤Holiday ⑥Think Of Me ⑦Physical Attraction ⑧Everybody

【アルバムについて】
⑧でデビューをしたマドンナは⑤のヒットで徐々に注目を浴び、②、①とシングルカットをした曲がどれも話題となっていった。俺も⑤で最初に知ったのだけど、まだ洋楽の熱心なリスナーが早めに飛びついただけで、実際に脚光を浴びたのは2枚目のアルバム『ライク・ア・ヴァージン』からだったと記憶している。このアルバムではまだあか抜けない感じの彼女の姿が初々しく、音作りもローカルなディスコ・ミュージックといった趣だが、それまでのポップ・ミュージックとは明らかに違う何かを当時は感じていた。1983年から1984年頃の全米チャートでは、当時20代の女性シンガーのヒット曲というものが少なかったもしくは無かったというのも好機だったような気がする。しかし当時はまさか30年経った今も第一線で活躍し、影響を与え続けるアーチストになるなんて思いもしなかった。

【オススメ度】★★★★★
マドンナの代表作といえば『ライク・ア・ヴァージン』とか『トゥルー・ブルー』だったり、最近だと『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』だったりすのだけど、俺はリアルタイムで聴いたこのアルバムこそ最高傑作だと思っている。上でも書いたが郊外からニューヨークに出てきたあか抜けなさと時代的なディスコ・ミュージックはこのアルバムだからこそ味わえるもので、次作『ライク・ア・ヴァージン』からはもう見事に計算しつくされたものとなってしまっているからだ。しかも代表曲だらけだし、これを知らずにマドンナを聴くのはもぐりだと断言してもいいだろう。(h)

【kakudayaの感想】
80年代のMTVとか当時は子供で全然リアルタイムでの体験ではないし、マドンナなんて無修正の写真集発売とか芸能ニュースで取り上げられるゴシップネタでしか知らなかった。音楽業界に限らず、現在に至るまでの彼女の精力的な活動が与えた影響が凄まじいものであることは想像に難くないが、何となくでしか理解できない。所謂自作自演するような女性ミュージシャンは大好物なんですけど、ポップアイコンみたいな存在には興味が持てないようです。なのでチッコーネ・ユースでも聴きます。




Madonna / Borderline