2013年4月14日日曜日

ユートピア / トッド・ラングレンズ・ユートピア



Todd Rundgren's Utopia(1974年リリース)
①Utopia Theme ②Freak Parade ③Freedom Fighters ④The Ikon

トッド・ラングレンは高校生の頃にロック名盤ガイド的な本でディスコグラフィを読みながら、いつか聴いてみたいと思いつつも未だ聴いていないアーチストの1人だ。タイミングを逃していると言えばそれまでだけど、この人の楽曲は基本はポップ・ミュージックのような印象があって、その時々で俺が求めているロックとは違うんだろうなという偏見も加わっているというのが正直なところ。そんなんで25年以上が過ぎているし、恐らく今後も進んで聴くことがないのかもしれない。不意に何かのきっかけで曲を聴いて「これ良いね」ってならない限りは。

そんなトッド・ラングレンがらみで唯一聴いているのがこのユートピアのデビュー・アルバム。なぜこのアルバムだけは聴いているのかというと、プログレをやっているからだ。10代後半からプログレを聴くようになり、先のロック名盤ガイドでもこのアルバムをプログレと形容していたことから興味を持ったわけだ。実際に聴いたのはもうちょとしてからだったけど、イギリスのプログレバンドよりもプログレっていて俺はこのアルバムがかなり好きだ。まず①はライヴ録音なのだが、もう初っ端から「どプログレ」な演奏。キーボード奏者が3人いるらしいが、もう狙っているとしか思えん。演奏時間も14分あり、ヴォーカルが出てくるまで7分ぐらいかかる。続く②はどことなくフランク・ザッパっぽくもある曲でこれも10分ぐらいある。③は4分程度の曲だけどプログレっぽさを醸し出している。アナログ時代はここまでがA面で、B面にあたる④はなんともまあ驚きの30分もある曲。そう、俺はこの④が30分という記述を見て非常に興味を持ったのですよ。いったいどんな曲だよって。

先ほどからプログレと言っているけど、プログレと言えばやはりイギリスのバンドの方が元祖(?)であって、実際にトッド・ラングレンもこのバンドを結成する前にイエスなどに夢中になっていたらしい。個人的な感想だけど、本家イギリスのプログレとアメリカン・プログレってどこか違うよなって思っていて、イギリスのは様式美のようなものを感じるのだけど、アメリカのそれはとにかくいろいろ詰め込んでやれって感じがしてしょうがない。テクニックに任せてやりたい放題というか、そんな印象がしてしまう。④なんて30分もあるけど展開がコロコロ変わるから退屈しないし、いつの間にか聴き終わっているって感じ。特に今の俺はイギリスのバンドによるプログレが重々しく感じてしまって、むしろこっちのほうが聴ける身体になってしまっている。以前は逆だったんだけどね。

それにしても、気になるのはこのアルバムの収録時間。トータルで59分、CDとなっている今では何てことはない長さだけど、アナログ時代だとA面B面それぞれ30分前後だったわけで、アナログレコードって片面が25分を超えてしまうと音もあまり良くないなんて言われていたし、18分ぐらいがベストじゃなかったかな?そんな時代にずいぶん長時間収録をしたよなって思ったりして、トッド・ラングレンって人はオーディオ的には細かいことは気にしなかった人なのかなと思ってしまう。確か彼のソロ・アルバムでも長時間収録のものがあった気がするけど。

ちなみにこのユートピアってバンドは、トッドがソロ活動と並行して1973年から1986年までやっていたんだよね。80年代のアルバムはリアルタイムで雑誌のレビューに載っていたのとか、ビートルズの曲の雰囲気を真似たアルバムもあったりする。今これを書いていて急に思い出した。トッドのソロはいいからユートピアを揃えようかな。(h)

【イチオシの曲】Utopia Theme
この曲がいちばんわかりやすいからね。トッド・ラングレンがやたらと細いな。



0 件のコメント:

コメントを投稿